森に煌く刃
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もう一隊は木の下の穴より侵入した。
「中は広いですね」
木の下の穴に潜入した戦闘員の一人が言った。入口は狭かったがそこを通り過ぎると中は広くなっていた。
人が立って歩ける程である。横は一人がかろうじて進める程か。
「流石はモグラ獣人、穴を掘るのが上手いわね」
カマキロイドは穴を見回しながら言った。その複眼が黄色く光っている。
途中で道は二手に別れていた。左右共何処かに続いていそうである。
「どちらに行きますか?」
カマキロイドはそれを見て思案した。そして決断を下した。
「半分に分けるわ。半分は右手へ、そして残る半分は私と共に左手へ」
「ハッ」
彼女の言葉通り分かれた。そしてカマキロイドは左の道を進んでいく。
途中壁の横に何やら横穴があった。だが小さい。それを無視して進んだ。
「あれっ、あいつは?」
途中で一人減っている事に気付いた。
「右に行ったんじゃないのか?」
中の一人が言った。
「そうか。じゃあ問題無いな」
そしてさらに進んでいく。
また分岐点に当たった。今度は三方向である。
「つくづく迷路めいたことが好きな連中みたいですね」
戦闘員の一人が呆れて言った。
「そうね。けれどここで諦めるわけにはいかないわ」
カマキロイドは言った。そして今度は三手に分かれて進んだ。
「気をつけろよ」
戦闘員達はそう言うと別れを告げそれぞれの道へ入った。そしてさらに進んでいく。
道はかなり曲がりくねっている。複雑な道であり幅や高さもかなり違っている。
「またえらく変な道だな」
戦闘員の一人が言った。彼等はそう言いながらも前へ進んでいく。
暗くなった。もう前すら見えない。だが前へ行くしかなかった。
次第に広い道に出て来た。そして明るくなってきた。
「ここは・・・・・・」
そこは巨大な部屋だった。否、部屋ではない。どうやら自然に出来上がった空間のようだ。
上には鍾乳洞が垂れ下がっている。そして右手からは滝の音が聞こえて来る。やはり滝とアマゾン達の穴は繋がっていたようである。
彼等はその中を見回した。すると上にぶら下がっている蝙蝠達が動いた。
「ムッ」
それと同時に影が飛び出して来た。それはアマゾンであった。
「やはりここにいたか」
カマキロイドはアマゾンを見て言った。アマゾンは何も言わず硬く尖った岩山の上で彼等を凝視している。
「よく来た、ここへ」
アマゾンは言った。
「御前達の仲間、皆倒した。後は御前達だけ」
「何っ、馬鹿な事を言うな」
戦闘員の一人がそれに対して反論した。
「その証拠、今見せる」
アマゾンはそう言うと後ろから何かを取り出し彼等の足下へ投げた。
「ムッ!?」
それは戦闘員の生首だった。ゴロリ、と転がり空虚な目でかって
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