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仮面ライダーZX 〜十人の光の戦士達〜
森に煌く刃
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ないけれど」
 彼女は言葉を続けた。
「いずれ網にかかる。その時が最後よ」
 彼女はそう言うと指令室の扉を開けた。そして外へと出て行った。

 彼女の言葉通り蟷螂が大量に放たれた。そしてアマゾン達を探る。
「頼むぞ」
 戦闘員達は地を這う蟷螂を見下ろして言った。蟷螂はそれに応えたのか静かに草の中に消えていく。
 アマゾン達はすぐに見つかると思われた。だがそうはいかなかった。
「まだ見つからないのか」
 暫くして戦闘員達が仲間内で話しはじめた。アマゾンは忽然と姿を消した。それにより損害は無くなった。
 だがアマゾンの姿が見えないのでは同じ事であった。彼等は次第に焦燥感を募らせていった。
「ひょっとするともうここにはいないのではないのか」
「いや、この大台ケ原の何処かで我々の隙を窺っているのだろう」
 彼等は噂し合った。鬱蒼と茂る木々の陰には何もいない。それがかえって彼等を不安にさせた。
「まずいわね、焦ってきているわ」
 ゲリラ戦は精神戦でもある。神経をすり減らしそれに耐え切れなくなったほうが負けだ。
 それはカマキロイド自身が最もよくわかっていた。伊達にベトナムのジャングルでフランス、アメリカ、中国といった名立たる強国達の精鋭を次々と屠ってきたわけではない。
 アマゾンはこれを察していたのであろうか。そして姿を何処かへ消したのではないだろうか。
(だとすれば一体何処に)
 カマキロイドは考えた。アマゾンは元々木の上やジャングルにおいての戦いに強い。だとすれば隠れるのは木の上である。そう、アマゾンならば。だが彼には今もう一人の同志がいる。
 モグラ獣人、モグラの能力を持っている。
(モグラ・・・・・・)
 モグラである。その時彼女はハッと気がついた。
(まさか・・・・・・!)
 ベトコンは山の地下の隅々に穴を掘りその奥に基地を造った。そしてそこを拠点に穴から出て敵を神出鬼没の奇襲攻撃で悩ましていったのだ。
 彼女もそうやって戦った。そして粘り強く戦い勝利を収めたのだ。
(考えられるわ。それならあの神出鬼没の行動も理解出来る)
 しかし一つ疑問がある。食糧はどうしているか。
(いや、それは事前に保存していれば問題無いわね。数には限りがあるけれど)
 そして彼等はこの大台ケ原の地下で待っているのだ。彼等が疲れきるのを。そしてその時こそーーーー。彼女はそれを思うと戦慄を感じずにはいられなかった。
「全ての戦闘員を招集して」
 彼女は傍らにいる戦闘員の一人に言った。
「全ての、ですか?」
 その戦闘員は思わず問い直した。
「そう、全てよ」
 彼女は険しい顔でそう言った。
 すぐに全ての戦闘員が基地の会議室に集められた。彼女は彼等に対して言った。
「アマゾンライダーは下にいるわ」
「下、ですか
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