海魔泳ぐ海
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たのだ」
「・・・・・・憎しみとやらに捉われては本当の意味で正義の戦士、仮面ライダーにはなれないのか」
「そう、何故なら憎しみは愛と対極にあるからね」
「愛と・・・・・・・・・」
村雨はその言葉に反応した。
「彼等は戦ううちに愛を知った。そしてそれを源として戦っているんだ。憎しみなんかよりもっと大きくて素晴らしい力を得てね」
「そうか。ライダーは愛で戦っているのか」
「そうだ。君もいずれわかるよ。君もまたライダーになろうとしているのだから」
「・・・・・・・・・」
村雨は再び黙ってしまった。博士の言葉が心に残ったからであった。
「俺もライダーになろうとしているのか。この俺が」
「そうだ、もうすぐ君は十人目のライダーになる。そしてバダンの野望を防ぐんだ」
「ああ・・・・・・」
村雨は答えた。だが確かな感触は無い。博士の言う通りライダーになれるのか、それは時の女神達のみが知る事であった。
カニロイドと夜の海辺での戦いの後神敬介と役清明はさらに捜査を続けた。今度は船ではなく瀬戸内の全ての島をであった。
それは何故か。ここの何処かにあるバダンの基地を捜し当てる為である。
海辺での戦い以降バダンが起こした海難事故はなりをひそめている。彼等は狙いを船から神達に変えてきていた。
「それでも襲撃は全く無いな」
「おそらく隙を窺っているのでしょう、油断は禁物です」
小型のクルーザーの上で役は神に対して言った。
「まあそうでしょうね。連中の事だ、多分この海の何処からか俺達を見張っているんでしょう。隙あらば襲わんと」
「はい。ですから旅館を引き払いこのクルーザーを拠点にしたのです」
役は毅然とした声で言った。
「しかしつらくはありませんか?」
神は役に尋ねた。
「何がです?」
役はキョトンとして答えた。
「船の暮らしがですよ。揺れるし何かと不自由はあるし。俺は元々こういうのには慣れてますけれど役さんにはつらいんじゃありませんか」
「それなら心配ご無用です」
役は笑って答えた。
「幸い船酔いしない体質でして。それにこうした生活も経験があるので」
「そうですか。それならいいです」
神は安心して言った。だが心に引っ掛かるものがあった。
「それを一体何処で経験しているのだろう」
彼は長野県警に勤めていた。しかも生まれも育ちも長野だという。それならば船の上での暮らしなぞ滅多に経験しない筈である。それがどうして。
「着きましたよ」
役が言った。目的地である小島に到着した。
「では行って来ます」
「はい」
神は島に上陸した。役が船に残る。
数時間経って彼は戻って来た。結果は、と聞かれ首を横に振った。この島にはなかった。
彼等はこ
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