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仮面ライダーZX 〜十人の光の戦士達〜
海魔泳ぐ海
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 辺りを見回す。だが彼の姿は見えない。
 「こっちだ」
 それは海の方から聞こえてきた。カニロイドはそちらへ振り向いた。
 そこに彼はいた。だが彼は神敬介ではなかった。
 銀の仮面を被ったカイゾーグ、仮面ライダー]がそこにいた。
 「そうか、変身したのか]ライダーよ」
 カニロイドは岸辺に揚がってくる]ライダーを見据えて言った。
 「そうだ、貴様を倒す為にな。行くぞっ!」
 彼はそう言うと腰からライドルを引き抜いた。そして前でエックスの文字を描いた。
 カニロイドの背中の鋏が再び襲い掛かる。]ライダーはそれをライドルで受け止めた。
 「させんっ!」
 ]ライダーは突進した。そしてカニロイドの胸へ切りつける。
 だがそれは効かなかった。ライドルは鈍い音を立てて弾き返されてしまった。
 「甘いな」
 カニロイドはそれを見て笑った。そして両手の鋏で切りつけてきた。
 「ムッ」
 ]ライダーは後ろに跳んだ。間合いが再び開いた。
 「俺はカニの改造人間だ。その程度の剣が通用すると思ったか」
 彼はそう言って笑った。だが]ライダーは冷静なままである。
 「それはどうかな」
 彼は不敵な声で言った。
 「何っ!?」
 その時だった。カニロイドの胸から青黒い血が噴き出てきた。
 「これは・・・・・・」
 「ライドルを甘く見てもらっては困るな。例え鋼であろうが両断する」
 「・・・・・・それに強化されているようだな」
 カニロイドは冷静に言った。
 「気付いたか」
 「気付くも何もこの切れ味が全てを物語っている。俺も甘く見てもらっては困るのだ」
 「俺の事も調べていたのか」
 ]ライダーは怪人に対して問うた。
 「貴様のデータはこれまでの戦いから調べてある。無論他のライダー達もな」
 怪人は傷に泡を付けた。すると傷口が泡でふさがれていく。
 「だが今回は俺が油断した。貴様の勝ちということにしておこう」
 怪人はそう言うと間合いを離した。
 「すぐに来る。その時が貴様の最後だ」
 怪人はそう言うと海の中へ飛び込んだ。戦闘員達もそれに続く。
 「行ったか・・・・・・」
 ]ライダーはそれを見送った。あえて追おうとはしなかった。
 「やはりいましたね、バダンの改造人間」
 役が彼のところへ来て言った。
 「ええ、中々切れる奴みたいですね」
 ]ライダーは怪人達が消えた海を眺めながら言った。海は怪人達の姿をその中へ消してしまっていた。

 村雨と博士は東京に入った後城南大学に向かっていた。
 「さて、もう少しだな」
 博士は辺りを見回しながら言った。
 「道に詳しいようだな」
 村雨は博士に言った。
 「ああ、通っていた大学だからね。それでも昔と比べて道が随分変わってしまったなあ」
 
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