第二章
[8]前話
妻同士も共にコーヒーやお菓子、それに会話を楽しむ様になった。共に観劇にや朗読会に行く様にもなり。
家同士は次第に距離は縮まった、そして二人が結婚した時には。
両家はまるで親戚同士の様になっていた、ここで主達は気付いた。
「いきなり結婚させるのではなく」
「幼い頃から共にいさせる」
「そうすれば幼馴染みになり」
「共によく知る様になる」
「そしてですね」
「二人を軸として家同士も」
「そうだ、いきなり結婚してはだ」
まさにとだ、領主は主達に答えた。
「効果は薄い」
「長きに渡った対立を消せない」
「簡単には」
「二人もな、お互い敵同士であったのにだ」
それでもというのだ。
「結婚して絆を深められるか」
「難しいですね」
「どうしても」
「だがな」
それがというのだ。
「幼い頃から共にいればお互いも知り」
「距離も近く」
「絆が生まれますね」
「そして二人共子供の頃はな」
「周りに誰かがいる」
「そうですね」
「両家のな、彼等も共にいて」
二人と、というのだ。
「何かと共に仕事をしたり話もしてな」
「お互いを知る」
「そうもなりますね」
「そうなるからな」
だからだというのだ。
「両家の距離も縮まる」
「我等もよく会って話をする様になりましたし」
「二人と共にいて」
主達はお互いを見て話した。
「そうなりました」
「それでは」
「そうだ、長きに渡った対立は溝だ」
それだというのだ。
「溝を狭めていけばだ」
「親密になりますね」
「対立から」
「そうなる、だから二人を歩きだした頃から共にいさせたのだ」
「それは成功しましたね」
「まさに」
「何よりだ、対立は一日では解決しないが」
しかしというのだ。
「幼い頃から共にいればな」
「最初から対立はなく」
「絆があるので」
「周りにいる者達もその絆に連れられ」
「対立からですね」
「絆となる、もう両家は敵同士でなくな」
これからはというのだ。
「親戚同士だ」
「そうなりました」
「これからは共に暮らしていきます」
主達もまさにと応えた、そうして領主も交えて三人で飲んだ。その宴は実に楽しいものとなったのだった。
政略結婚でも問題なし 完
2025・6・24
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