第一章
[2]次話
政略結婚でも問題なし
モンテーニュ家とラブレー家は国でも有名な権勢家同士であるが。
長い間いがみ合ってきた、しかし領主の仲介を受けて和解することになり子供同士を結婚させることになったが。
領主はそれぞれの主達にだ、こう言った。
「二人を幼い頃から頻繁に合わせるのだ」
「私の息子をですか」
「私の娘を」
「そうだ、常にだ」
まさにというのだ。
「合わせ二人で遊ばせ同じことをさせてだ」
「共にいさせるのですか」
「よく」
「そうするのだ」
こう言うのだった。
「いいな」
「それはどうしてでしょうか」
モンテーニュ家の主が領主に尋ねた。
「一体」
「二人共まだ生まれたばかりですが」
ラブレー家の主も言った。
「これからですか」
「歩きだしたならな」
そうなればというのだ。
「いいな、頻繁にだ」
「合わせてですか」
「遊ばせる」
「そうさせるのですか」
「二人を」
「そうするのだ」
領主はこう言った、だが。
「あれだけいがみ合ってきた両家だ」
「この結婚は上手くいかない」
「対立は続くぞ」
「解決には長くかかる」
領地の誰もが考えていた、しかし。
二人は幼いそれこそ歩きだした頃からよく会って共に遊んだ、それからよく話もして共に学んでだった。
共になる時間が多くなった、するとモンテーニュ家の息子であるシャルル黒髪に青い目でやや面長の彼は言った。
「マリーがいないと寂しいよ」
「シャルルがいないと寂しいわ」
長いブロンドの髪の緑の目で卵型の顔の彼女も言った。
「会えないと」
「一緒にいないと」
こう言ってだった。
二人で会うと笑顔になった、そうして同じ学校にも通い。
いつも一緒だった、それで言うのだった。
「早くマリーと結婚したいな」
「シャルルとずっと一緒にいたいわ」
「その時が待ち遠しいよ」
「これからも一緒にいたいわ」
こう言うのだった、そして。
お互いでもそうした話をしてだった。
「結婚したらね」
「これからも仲よくしていきましょう」
「二つの家が仲なおりして」
「私達はこれからもね」
こう話すのだった、その二人を中心にしてだった。
両家の者達は使用人同士までもが頻繁に会い共に仕事をして話もする様になった、それは主同士もであり。
「こうして何かと話すと」
「お互いのことがわかってきたな」
「これまで貴殿を一方的に嫌い過ぎた」
「私もだ」
「確かに立場の違いがあるが」
「別段悪くはない」
彼等も話した、共に飲む様になり。
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