火吹き竜の島
[9/18]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
くれ」
「ああ、勿論だ」
博士は頷いた。そして彼をテーブルへ導いた。
「それはとりあえず食べてからにしよう」
腹が鳴りだしたからであった。
「ああ」
二人はテーブルに着いた。そして食事を注文した。カレーライスだった。
本郷と一文字達は沖縄の中を捜査していた。捜すはバダンの基地である。
だが一口に沖縄といっても多くの島々からなる列島である。捜査は容易ではない。
まずは那覇市内から始めた。二手に別れ捜査をする。
「やはりそうそう容易に手懸かりは掴めないな」
「ええ。やっぱり市内にはないのかしら」
本郷とルリ子は市内の喫茶店で休憩を取りつつ話をしていた。ココナッツミルクのジュースを飲んでいる。
「那覇の辺りにはないか。場所を変えよう」
「ええ。北へ上がりましょう。名護の辺りが怪しそうだわ」
「よし、そうしよう」
本郷とルリ子は名護へ向かった。一文字と滝は一足先に宮古島へ行っていた。
「どうだ滝、何か変わったところは無かったか?」
一文字は小舟の上にいた。ダイバーの服を着ている。
「いや、何も無かった」
海から出て来た滝が残念そうに言った。彼もダイバーの服を着背中にボンベを背負っている。
「沖縄は海も多いかえあな。これはかなり大変だぞ」
「ああ。こういった仕事は敬介の専門なんだがなあ」
「ははは、そうだな」
一文字は笑い声を立てて笑った。
結局沖縄島にも宮古島にもその近辺の島にも無かった。一行は石垣島に行った。
石垣島は八重山諸島の中心地であり沖縄では沖縄本島、西表島に続き三番目に大きい島である。四方に河川が発達し湾岸、半島、岬等多様な自然環境を誇る。川平公園や玉取崎展望台等風光明媚で知られている。
「綺麗な場所だな」
一行はその美しい場所の一つ平久保崎にいた。一文字がそこを歩きながら言った。
「ああ、確かにな。だがここにバダンの基地があるのかも知れないぞ」
本郷が顔を引き締めながら言った。
「やれやれ、本郷は相変わらずだな。たまには気を楽しませる事も必要だぞ」
「それは解かっている。だがな、この美しい景色を守らなければいけないと思うとな」
本郷は緑の丘の上に立つ灯台の向こうに見える青い海を眺めながら言った。
「ふふふ、相変わらずね、あの二人」
ルリ子はその二人を後ろから見ながら言った。
「ああ、話している事はいつもちぐはぐなんだがな。戦う時は驚く位息が合っているんだよ」
滝が笑顔で言った。
「だからこそ無敵のダブルライダーなのね」
「だろうな。お互い個性が違うからあそこまでの強さを発揮出来るんだ」
二人は歴戦の戦士達を見ながら言った。周りでは牛達が草を食べている。のどかで牧歌的な光景である
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ