火吹き竜の島
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た。
本郷と一文字は石垣島での捜査を本格的に開始した。宿もこの島に移した。
「成程な、この島全体で奴等を見たという話がある」
捜査を終えた本郷がホテルで石垣島の地図を広げながら言った。その地図のあちこちには赤い丸が書き込まれている。
「それだけじゃない。海でも奴等を見たという話がある」
一文字が海を指差しながら言った。
「海か。もしかすると奴等海底に基地を作っているのか」
「有り得るな。ショッカーの頃からよくあったしな」
「海か。ならば少し厄介な事になるかも知れないな」
「?どうしてだ?」
一文字は本郷の言葉に首を傾げた。
「うむ、この辺りは難破船が多いという。海の底には嵐で沈んだ船が多く眠っているという。隠れるにこれ程適した場所もないだろう」
「それを一つ一つ虱潰しに調べるとなると厄介だな。その間に体勢を整えられるし」
「そうだ。唯でさえ奴等は俺達がここに来た事を既に知っているんだ。事を急がないとこちらが不利になるばかりだ」
「そうだな。出来るだけ急がないとな」
二人はテーブルで向かい合い頷いた。一文字はその上のコーヒーを口にすると本郷に言った。
「そういえば滝とルリ子さんは何処へ行った?」
「川平公園の方へ行っている。あそこでも奴等を見たという話がある」
「そうか、川平公園か」
一文字はその名に少し反応した。川平公園は黒真珠の養殖で知られている場所である。美しい海が有名な石垣島で最も美しいと言われている場所の一つである。
「本郷、俺達もそこへ行かないか」
一文字が腰を浮かせて本郷に言った。
「おい、まさか写真を撮りに行くつもりじゃないだろうな」
本郷は苦笑して言った。
「ははは、その為のカメラだろ」
一文字は苦笑する彼ににこりと笑って言った。
「しょうがない奴だな。そうだな、行くか」
「よし」
二人は席を立った。そしてホテルを後にした。
滝とルリ子は川平公園の砂地を歩いていた。白い雪のような砂である。
砂地のすぐ側は緑の森である。深い緑が目を休める。
そしてその緑と向かい合うように海が広がっている。何処までも青く、澄んだ海である。
「バダンの奴等もこんなことろまで来なくてもいいのにな」
「本当、どうせなら観光で来たかったわ」
滝とルリ子は海を眺めながら言った。二人共景色に見とれてはいるが気は張っている。それが不満であるようだ。
「まあ不満を言っても始まらないな。奴等はどうせ観光なんか興味無いし。確か奴等の姿を見たって話があったのは
この辺りだったよね」
「ええと・・・・・・。そうね、丁度この辺よ」
ルリ子が地図を見ながら言った。
「見た所何もおかしいものは無いけれどな」
滝が辺りを見回
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