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リードが外れてもじっとして
第二章

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「逃げないでね」
「大人しくしているな」
「よかったわ」
 百合子はそのふわりを見て言った。
「ふわりは賢くてね」
「本当にいい娘だからな」
「こうした時は逃げないで」
「ちゃんと待ってくれてるな」 
 文太は自分達に顔を向けてじっとしているふわりを見て言った。
「ちゃんとな」
「こうした娘でよかったわ」
「全くだ、しかしな」
 文太はリードを付け直してから言った。
「もうこのリードは寿命だ」
「勝手に外れたからね」
「今日買い替えないとな」
「今日お買いものの時ペットショップに寄るわ」
 百合子は自分がと言った。
「そうするわ」
「そうしてくれ」
「小型犬のリードね」
「トイプードルだからな」 
 ふわりはとだ、文太はすぐに答えた。
「ましてふわりはトイプードルの中でも小さいだろ」
「ティーカップ程じゃなくても」
「ティーカップより少し大きい位だな」
「やっぱり小さい方ね」 
 トイプードルの中でもだ。
「ふわりは」
「だからリードは小型犬用だ」
「そうなるわね、ただふわりはよく動くし」
 それでというのだ。
「力も強いから」
「だからな」
「しっかりしたリードでないとね」
「逃げない娘でも歩く時咄嗟に外れてそこに車が来たら危ないからな」
「リードはしっかりしたものでないとね」
「そういうの買ってくれよ」
 こう妻に言った、そしてだった。
 百合子は昼前に買いものに行った、そのうえでしっかりとしたリードも買った。そのリードは丈夫でふわりをしっかりとつなぎ止めてくれたのだった。


リードが外れてもじっとして   完


                2025・6・22
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