第二章
[8]前話
「真面目だしね」
「だからですか」
「若槻さんがそう言ってくれるなら」
それならというのだ。
「うちもね」
「それで、ですか」
「頼むよ」
「それでは」
こうしてだった。
美紅はそのまま神社に就職した、巫女の仕事以外に事務等も行う様になったがそこから数年経ってであった。
「まさかね」
「結婚までって思わなかったのね」
「ええ」
高校時代巫女のバイト代のことを言って今はOLをしている友人に言われた。
「神社でね」
「働いているうちにね」
「若い宮司さんと仲よくなって」
「それでね」
そうなりというのだ。
「今度ね」
「結婚するのね」
「そうなったのよ」
「よかったわね」
友人は美紅を素直に祝福した。
「結婚おめでとう」
「有り難う、そう言ってくれるのね」
「運命だったのよ」
そうだったというのだ。
「これはね」
「運命なの」
「私が巫女になって」
高校時代にというのだ。
「神社でずっと働いてね」
「結婚したのは」
「神様にお仕えして」
そうしてというのだ。
「そうなったのはね」
「運命なのね」
「神様が導いてくれたのよ」
美紅は笑顔でこうも言った。
「本当に」
「そうね」
友人も否定せず応えた。
「あんたは確かに巫女のお仕事大好きだったし」
「今もね」
「バイト代が安くてもいいって」
「そうも言ってたでしょ」
「そうだったわ、やっぱりそれは」
「そう思って働いてきたことは」
このことはというのだ。
「本当に神様のお導きでね」
「運命だったのね」
「そうだったのよ」
まさにというのだ。
「本当にね、それでこれからも」
「神様にお仕えして」
「神社で働いてね」
「夫婦でやっていくのね」
「そうするわ」
こう言ってだった。
美紅は結婚しそのうえで神社で働き続けた、子供も出来て一家で神社に参拝したりもした。その日々は極めて幸せなものだった。
巫女から奥さんに 完
2025・6・21
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