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巫女から奥さんに
第一章

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                巫女から奥さんに
 高校生のアルバイトとしてだった。
 その神社では若槻美紅一五〇程の背で楚々とした顔立ちで黒髪をロングにした赤い唇の彼女を巫女に採用した。
「へえ、凄い可愛いな」
「そうだよな」
「礼儀正しいし」
「しかも仕事も真面目だし」
「それじゃあな」
「このまま働いてもらうか」
 神社の宮司や同僚達からも評判がよかった、それで美紅は働き続けたが学校では友達にこんなことを言われていた。
「巫女さんってバイト代安いでしょ」
「そのこと言うの?」
「だってね」
 友人は真顔で言った。
「世の中やっぱりね」
「お金っていうのね」
「そうでしょ」
 こう言うのだった。
「やっぱり」
「いや、お金は必要なだけあったらね」
 だが美紅はこう返した。
「それでね」
「いいの」
「私としてはね」
「そうなのね」
「だからね」
 友人にさらに話した。
「私はね」
「巫女さんでいいの」
「巫女さんの服いいでしょ」
 友人ににこりとして話した。
「神聖で清潔でしかも可愛い」
「それはそうね」
 友人も確かにと頷いた。
「究極の服の一つね」
「しかも神社の中がね」
「独特の雰囲気があるわね」
「その雰囲気もいいから。神様を感じてね」
「いいのね」
「そう、だからね」
 それでというのだ。
「私はね」
「巫女でいいのね」
「確かにバイト代は然程ね」
「高くないわね」
「そうだけれど」
 このことは事実だがというのだ。
「けれどね」
「いいのね」
「そう、だから」
 それでというのだ。
「私はね」
「巫女さんでいいのね」
「ずっとアルバイトしていきたいわ」
 笑顔での言葉だった。
「本当にね」
「そこまで気に入ってるのね」
「そうなの」 
 こうした話をした、そしてだった。
 美紅はアルバイトをしていった、それは大学に進学してからも出蟻卒業間近になって神主の人に言った。
「よかったらこのまま」
「うちに就職してくれるのかな」
「そうしてもらっていいですか?」
 こう言うのだった。
「アルバイトから」
「うん、若槻さんもね」 
 神主は美紅に話した。
「長くてお仕事もわかってるし」
「だからですか」
「信仰心も確かで」
 そうであってというのだ。
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