第一章
[2]次話
息子が妊娠させた
いきなりだ、吉田家に激震が走った。
「えっ、その河原崎さんって人からか」
「そう、いきなり物凄い剣幕で怒鳴り込んできてね」
家の主婦の文恵は夫の淳に話した、二人共初老で少し肉が付いてきていて顔には皺があり白髪もある。夫は眼鏡をかけていて妻は垂れ目だ。二人共中背である。
「うちの娘を妊娠させたからって」
「責任取れってか」
「怒鳴り込んできたのよ」
「そんな筈あるか」
夫は眉を曇らせて言った。
「うちの鏡花に限って」
「そうよね」
「その人にそのこと言ったな」
「言ったわよ」
妻はすぐに答えた。
「うちの子はずっとスコットランドにいるって」
「もう三年な」
「お仕事でね」
「もうずっと日本に帰ってないぞ」
「そう、それなのにね」
「その娘さん妊娠させるなんてな」
それこそというのだ。
「有り得ないぞ」
「そのこと言ったわ」
「それでその人納得してくれたか」
「うちの子のインスタ見せてね」
スマートフォンを出して話した。
「これでね」
「それで納得してくれたか」
「ずっと帰ってないとも言ったし」
「納得してくれたならいいがな」
「ええ、けれど本当にね」
文恵は淳に眉を顰めさせて話した。
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