第二章
[8]前話
「乾燥する様になって」
「冬になるとね」
「乾いて」
「放っておくとがさがさになる様になったわね」
「最悪割れるよ」
唇がというのだ。
「そうなる様になったよ、だから」
「毎日リップクリームを塗って」
「乾燥しない様にしているよ」
「そうよね」
「必要ないと思っていたら」
若い時はというのだ。
「それがね」
「歳を取って変わったわね」
「そうだよ」
そうなったというのだ。
「本当にね」
「そうなったわね」
「そう、そして」
それでというのだ。
「これからもっとかな」
「ええ、お肌どんどん乾く様になるわ」
「そうだね」
「ハンドクリームも」
それもというのだ。
「塗る様になよ」
「奥さんはもう塗ってるね」
「家事は私がする方が多くて」
それでというのだ。
「特にお料理がね」
「多いから」
「だからね」
それでというのだ。
「お水使うから」
「手が荒れやすいね」
「昔から塗っていたわ」
「冬になったら」
「そう、そして」
それでというのだ。
「これからはあなたもね」
「塗ることになるね」
「お肌が乾燥してね」
「やれやれだよ、若い頃はそうでなくても」
夫は妻の話を聞いてぼやいた。
「歳を取ると変わることもあるね」
「そうよ、お肌もそうで」
「他のこともだね」
「そうなるわ」
こう夫に話した、そして二人の間の高校生の息子の進路のことも話したが若い頃に比べてこうした話をすることも疲れる様になったと感じたのだった。
リップクリームは必要 完
2025・6・19
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