第百七十五話 寒くなってきてその七
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「こうしたお話はね」
「思わなかったんだ」
「熱燗とかね。けれど熱燗も」
「寒くなると飲むね」
「そうした人いるわね」
「俺も飲まないけれどね」
「やっぱりお酒は冷えたのね」
「冬でもそちらだよ」
飲むのはというのだ。
「それを飲んでね」
「お酒はお酒だしね」
「温まるしね」
「そうよね」
「だからいいね、しかしね」
「しかし?」
「お酒ばかりもよくないからね」
「飲み過ぎは毒だから」
「それでね」
そうであるからだというのだ。
「本当にね」
「飲み過ぎには気を付けないとね」
一華も言った。
「やっぱり」
「そう、そのことはね」
何と言ってもというのだ。
「絶対よ」
「お酒の飲み過ぎは要注意」
「あったまってもね」
「そうよね」
「だから冷えない為には」
「服からよね」
「それで暖房もしっかり入れる」
そうすることだというのだ。
「それからよね」
「熱いものも食べる」
「お酒はその次よね」
「何と言ってもね」
こうしたことを話すのだった、そしてだった。
そうした話をしてだった、一華は次第に厚着になっていった。そして家に帰ると母はこたつを出していた。
「もうこの季節ね」
「こたつ出すのね」
「こたついいでしょ」
娘に真顔で言ってきた。
「何と言っても」
「足が暖まってね」
「いいでしょ」
「ええ、ただね」
一華は早速こたつに入っている母を見て言った。
「うちってこたつから出るのに抵抗ないわね」
「よく出られない人いるわね」
「うちそれないわね」
「だってお部屋にも暖房入れるから」
母はそれでと話した。
「服だってちゃんと上に着るでしょ」
「どてらとかね」
一華は自分が愛用のそれを思い出しつつ答えた。
「着るわね」
「そうして全体として暖かいからよ」
こたつでそうなる足だけでなくというのだ。
「出られるのよ」
「こたつだけじゃないから」
「そう、こたつだけに頼ると」
その場合はというのだ。
「中々出られなくなるのよ」
「だから全体を暖かくするのね」
「豊臣秀吉さんよ」
天下人になった彼だというのだ。
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