第二章
[8]前話
「白米もちゃんと食堂のメニューに出していたんだ」
「そうでしたか」
「玄米のメニューも出していただけでな」
白米だけでなくというのだ。
「色々輪を聞いてそうしたし」
「そうでしたか」
「酒だって試合が次の日にあると」
その時はというのだ。
「飲むなと言ったんだ」
「それだけですか」
「飲み過ぎて次の日の試合に差し障りが出たら駄目だろ」
理路整然とした指摘だった。
「やっぱり」
「はい、確かに」
ジャーナリストもその通りだと答えた。
「他の仕事でもそうですし」
「それだけでも違うんだ」
「試合前に飲まない様にしても」
「酒とくれば肉で」
「お肉もですね」
「そうしただけだよ」
広岡は真顔で話した。
「私は」
「そうだったんですね」
「あと煙草は駄目だしな」
「身体に悪いですね」
「運動にもかなり支障が出るんだ」
「だから当然禁止ですね」
「確かに私は厳しくしたよ」
巷で言われている様にというのだ。
「海軍の影響で」
「それでもですね」
「極端に厳しくしていない」
そうだというのだ。
「言われている様にはな」
「そうでしたか」
「まさか戦争に行って戦えとは言わないな」
ジャーナリストに笑って言った。
「海軍みたいに」
「まさか」
ジャーナリストも笑って返した。
「野球ですから」
「そう、野球をやっているんだ」
「戦争じゃないですね」
「それに海軍だってあれで遊ぶ時は遊んでいたんだ」
そうだったというのだ。
「野球は野球の厳しさでいい」
「極端でなくていいですね」
「そうだ、野球を念頭にやっていたんだ」
ここから広岡はジャーナリストと野球談議に入った、語るその目は輝いていて彼がどれだけ野球を愛しているかがわかった。そして広岡管理野球の実態も伝わり今は多くの人が知っていると言われている。
厳し過ぎても駄目 完
2025・6・18
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