第二章
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「健康診断も毎年受けて」
「人間ドッグでね」
「健康もチェックしてるわ」
「気を付けてるわね」
「ほんま飲み過ぎてな」
妻が夕食の豚の生姜焼きともやしとニラの炒めものを出すのを見つつ応えた、もうテーブルに座っているのだ。
「身体壊したらな」
「飲めなくなるから」
「気を付けてるねん、ずっと飲みたいなら」
そう願うならというのだ。
「身体にも気を付ける」
「それが大事ね」
「そや、それでな」
そのうえでというのだ。
「ずっと飲むわ、ジムにも通ってるし」
「毎日朝にね」
「飲みたいんやったらまず健康管理や」
「そこからね」
「内臓壊したらほんましまいやからな」
こう言ってこの日は酒は飲まなかった、そうしてだった。
他にも休肝日を設けて長く飲んでいった、その中で後輩達にぼそっとこんなことを言ったのだった。
「この辺りわしの師匠の師匠もよおいてはったらしい」
「ああ、あの人ですか」
「あの人もお酒好きでしたね」
「そうでしたね」
「もう毎日浴びる様に飲んでな」
飲みつつしんみりとして語った。
「スキャンダルもあって出られん様になって」
「事務所クビになって」
「仕事も出来なくなって」
「それで、ですね」
「もう自棄になってな」
そうしてというのだ。
「これまでより遥かに飲む様になって」
「もう身体ボロボロになって」
「肝硬変になったんですよね」
「確かそうですね」
「それでドクターストップもかかって」
そうなってというのだ。
「それでな」
「挙句はでしたね」
「倒れて」
「そのうえで」
「そうなったらあかんわ、酒は長く楽しんで飲むもので」
そうであってというのだ。
「内臓壊してボロボロになるまで飲むもんちゃう」
「そうですね」
「そうなって飲むものじゃないですね」
「お酒は」
「そうしたものや」
こう言って飲むのだった、今は楽しく飲んだ。そしてそれからも長く飲んだのだった。
内臓を壊す位には 完
２０２５・６・１７
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