第一章
[2]次話
山の中の豪邸
その豪邸、宮殿の様な洋館を見てだった。高校生の佐久間花袋長身痩躯で長方形の顔で黒髪を短くしている彼は言った。
「俺ワンゲル部の部活で今度入る山の下見に行ったんだよ」
「ああ、あの山か」
同じワンゲルブの部員の林清和が応えた。細い目でやや尖った口を持つ四角い顔の男で黒髪をスポーツ刈りにしている。背は一七三位で引き締まった身体つきである。二人共ダークブルーのブレザーと緑のネクタイにグレーのスラックス、白いブラウスという制服姿だ。
「あの山にそんなのあったんだな」
「凄い豪邸がな、けれどな」
佐久間はいぶかしむ顔で話した。
「山の中に豪邸なんてな」
「誰かの別荘だろ」
林はこう返した。
「そうだろ」
「お金持ちのか」
「それが誰か知らないけれどな」
「ああ、この街結構お金持ちも多いだろ」
「神戸はな」
「外人さんだって昔から多いしな」
こう言うのだった。
「だったらな」
「その洋館はか」
「お金持ちの外人さんのな」
そうした人のというのだ。
「別荘か何かじゃないのか?」
「そうなんだな」
「ああ、だから敷地内にはな」
「入ったら駄目だな」
「入ってないよな」
「洋館の周りの庭は柵で覆われてたよ」
佐久間は林に話した。
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