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胃が荒れている時に肉は
第二章

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「全くです」
「食べていないね」
「そうしています」
「そうするといいよ、ただ来月部署で忘年会やるけれど」
「その頃にはですね」
「治した方がいいよ」
「しうします」
 絶対にとだ、岡林は答えた。そして養生に努め。
 十日程で完治して忘年会も出席出来た、忘年会は焼肉で彼は焼き肉特にホルモンとビールが好きで食べているが。
 その時にだ、黒岩は同じ鉄板を囲んでいる岡林に話した。
「実は私も若い頃胃が荒れたことがあって」
「養生していたんですか」
「いや、それが家にいて親戚から猪の肉を貰って」
 それでというのだ。
「焼いたのを食べたんだ」
「猪ですか」
「猪の肉は固いね」
「ええ、豚よりも」
 猪を家畜化したものが豚だ、当然ながら猪肉の味は豚肉のそれに酷似している。だが違うこともあるのだ。
「固いですね」
「それを食べてね」
「胃が荒れている時に」
「後で痛くて苦しんだよ」
「そうだったんですか」
「止めようかと思ったけれど家族に勧められて」
 そうであってというのだ。
「無理して食べたら」
「大変なことになったんですね」
「そうだったよ」
 実際にというのだ。
「痛くてね、だからね」
「胃が荒れている時はですね」
「固いものやお酒とか刺激の強いものは避ける」
「特に肉は」
「そうしないと駄目だよ」
「そうですね、俺も気を付けます」
 岡林はホルモンを食べつつ応えた。
「また胃が荒れましても」
「養生してだね」
「そうしたものは食べません、特に肉は」
「我慢することだよ」
「そうします」
 黒岩に答えて一緒に焼肉を食べビールを飲んだ、胃が完治している今は肉はどれも美味く胃に負担もかからなかった。だがそれは健康故にということもわかっていた。そうして二人で肉を楽しんだのだった。


胃が荒れている時に肉は   完


                  2025・6・16
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