白き極光編
第1章
エラディケイション・ザ・ドマ
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本国から増援として送られたニンジャ3人を投入してのドマ城攻撃失敗は、帝国軍に大きな衝撃を与えた。
加えて魔導アーマーも今回の8機損壊で計17機が失われ、配備された40機も半数近くまで減っている。
「ふむ…ドマ軍の力、見誤っていたか」
ドマ城攻略作戦本部としているテントの中、テーブル上に広げられた作戦図を見下ろす数人の軍人。
最初に発言したのは、緑系統の色で纏められた軍服を纏う、浅黒の肌にモヒカン状の金髪を持つ男。
「退却して来た兵の報告によると、ドマ側にも手練れのニンジャが残っていたとの事です、レオ将軍」
「ニンジャか…」
そう、この男こそガストラ帝国軍にあって数多の戦場を勝利で彩り、その名を轟かせた将軍、レオ・クリストフである。
個の武勇にも優れ、忠義に篤く、兵1人1人への気配りも欠かさぬ人格者故、将兵からの信望も集めている逸材だ。
「我が軍に降伏したニンジャ達には存在を悟らせていなかった…という事か。しかし、ナイトメア殿をも討ち取るとは…」
帝国に与するニンジャの中でも、ナイトメアはレオが知るニンジャとしては指折りの実力者だった。
こと真っ向からの白兵戦で、彼が負ける姿などは想像すら出来なかった。
「討ったのはドマのサムライだとか…」
「魔導アーマーを壊滅させたのもサムライだったな。やはり恐ろしい戦力だ」
そのサムライにニンジャも加わっているとなると、残る23機のアーマーを投入したとて良い結果にはならないであろう。
実際、先の戦いではニンジャ3名、魔導アーマー8機を失い、兵も死傷者合わせ43名が戦闘続行不能となり、捕虜となった者も10名いる。
対するドマ軍は、サムライ11名中、5名負傷、4名が死亡した。
双方の被害の差は一目瞭然であろう。
「頭の痛い話だ」
レオと側近の士官は、外気を吸って思考をクリアーにしようとテントを出て歩き始める。
「ドマ軍は破損した城壁を補修し、防備を固めるつもりのようです」
「お得意の籠城戦というわけか。ニンジャもアーマーも撃破された上であの堅牢な城壁を盾にされては、兵の士気が心配だな」
ここからでは見えないが、レオはドマ城のそびえる西方へと首を回す。
「将軍、敵が補修を終える前に、再度攻撃に移りましょう! 私以下、将軍の為とあらば死を厭わぬ者も多く…」
「よせ。迎撃に成功し、士気の上がった敵へ強行を仕掛けても、本来であれば不要だった犠牲が増えるだけだ。この私に、お前達の剣を持って祖国で待つ家族に会いに行けと言うのか」
レオは逸る士官の肩に手を置いて落ち着かせると、ゆっくりと諭した。
「良いかエイド。軍人は軍人である前に人間だ。命は1人に1つしか無いのだぞ。生きて家族や仲
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