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ニンジャ・イン・ザ・ファンタジーY
白き極光編
第1章
エラディケイション・ザ・ドマ
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間と喜びを分かち合ってこそと思ってくれ」

「…はっ…! 勿体無いお言葉…!」

「うむ。敵が籠城するならば、こちらは補給線と兵の英気維持が肝要。まずは兵達を休ませよう」

 エイドと呼ばれた士官は、方針の変更に合わせたレオの作戦計画を聞いてメモすると、敬礼してその場を立ち去った。

「ニケアは軍事力には乏しいから、直接ドマへ援軍を出す事は無いだろうが…リターナーと組んで海路を遮断されては厄介だな」

 1人残ったレオが顎に指を添え思考していると、別の兵が駆けて来た。

「レオ将軍! 皇帝陛下より伝書鳥です!」

「うん?」

 伝書鳥による書面での命令など古風と思われるかもしれないが、ガーゴイルらが使用していた大気中の魔力を媒介とする無線機は、魔力に満ちたこの世界では距離が開くほどノイズが増えて使い物にならなくなる。
 それ故に短距離通信でしか使用出来ない試作品なので、本国から海を隔てたこの地では機能しないのだ。
 渡された書簡を開いたレオは、眉間に皺を寄せる。

「むぅ…このタイミングで召還とは…私は一時本国へ戻る。今後の作戦はエイドに引き継いでいるので、彼の指示に従ってくれ」

「はっ!」

 レオは急遽帰国の荷物を整えるべく、将官の生活テントへと向かった。



「あれがレオ将軍…敵ながら噂通りの傑物だな」

 テント脇に置かれた木箱の蓋が開き、マッシュとシャドウが隙間から外を窺う。

「兄貴から名のある帝国軍人の話を何人か聞いてたが…なるほど、ありゃ敵に回すと厄介そうだ」

 帝国に属しているが故に立場上は自分達の敵であるが、その高潔な人柄は傍目に見ていても敬意を表するに値するものだ、とマッシュは思った。
 つくづく敵としておくには惜しい人物である。

「…隠れろ」

 シャドウに促され、マッシュも共に蓋を閉じる。
 直後、レオの物とは別のテントから現れたのは、派手で奇怪な出で立ちの道化師めいた男…ケフカだ。

「ヒッヒ…ドマの連中、今頃は束の間の勝利に浮かれてるだろうねぇ…今日限り全滅するとも知らずに…ヒヒヒ…」

 ケフカは自身の出て来たテントの中を一瞥する。
 暗いテント内では、全身に長布を巻き付けている事こそ分かるが、光源の乏しさからその全貌は窺えぬ人物が胡座をかいて瞑想している。

「ケフカ」

 帰還準備を終えたレオが、背後からケフカへ声を掛ける。
 ケフカはあからさまに不機嫌そうに、レオへと視線を向けた。
 彼はこの実直な軍人が嫌いなのだ。

「私は本国へ戻るが、くれぐれも早まった真似をするなよ」

「ヒヒ…なぁに、心配しなさんな。お前さんよりも手際よーく進めておいてやるよ。敵に情けはいらないからねぇ、ヒヒッヒ…」

 歪
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