暁 〜小説投稿サイト〜
ニンジャ・イン・ザ・ファンタジーY
白き極光編
第1章
サムライ・ニンジャ・バーサス・ニンジャ
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撃準備を行っている。開戦からドマは随分と持ちこたえたが、今や前線をドマ城まで押し込まれている。あそこを落とされれば国家としては崩壊するだろう」

 帝国は本土から船を用いて兵員や物資の輸送を行っている。
 土地勘のあるドマ軍が上陸部隊を強襲する形で橋頭堡の構築を阻止していたが、帝国は上陸前に船上から魔導アーマーによるレーザー攻撃での露払いをする戦法にシフト。
 陸から海上への攻撃手段に乏しかったドマ軍はこれに対処出来ず、上陸地点から撤退。
 帝国軍は素早く陣営を築いて臨戦態勢を取ったのだ。
 元より地上戦こそドマのサムライ達の本領であり、実際帝国は魔導アーマーを含めた相当数の被害を出してしまった。
 だが、次第に国力の差が出始めた。
 占領したアルブルグ、ツェン、マランダから徴用した兵を続々と送り込み、昼夜交替で攻撃を続けてドマ軍の疲弊を待ったのである。

「所詮は人間だ。食えず、眠れず、休めず、ドマ軍は疲労困憊し、守りに徹する以外の道が無くなった。帝国、ドマそれぞれにニンジャがいたが、勝ち目の薄くなったドマからは寝返る者が続出した」

「義理もへったくれも無い奴らだな…まぁ、雇われなら仕方無いか…」

 元々この世界の存在ではないニンジャは、愛国心も忠誠心も無く、生きて行く為に傭兵をしているだけなのだ。
 性質からして邪悪な者が多いニンジャは、義理に縛られて沈む船に乗り続けるほどお人好しではなかったというだけの話だ。

「そういうわけで、ドマは今や風前の灯。帝国に滅ぼされれば船を借りるどころの話ではないぞ。俺も南には用がある。途中までなら道案内を引き受けても良い」

 この申し出にマッシュは悩んだが、1人ではドマへ辿り着けるかも怪しい。
 少し考えた後、ポケットマネーから雇用料を支払ってこの男を雇う事に決めた。
 財布が流されていなかった事は幸いだったと言えるだろう。

「契約成立だ。俺はシャドウと名乗っている。この業界では多少名を知られている自負がある。コイツは俺が唯一信用している相棒、インターセプターだ」

 インターセプターと呼ばれた犬は、挨拶するように1つだけ吠えた。

「帝国軍の展開範囲は広い。見つからずドマへ行く事は不可能だろう。いっそ帝国軍の目がドマへ向いている内に陣地の中を強行突破した方が早いし、撹乱にもなるかもな」

「なるほど、そっちの方がコソコソするより俺に向いてるぜ」

 マッシュを両拳を打ち合わせて気合いを入れる。

「そうと決まれば早く行こうぜ。ドマが無くなっちまったら意味がねぇ!」

 シャドウは頷く。
 南部の軍勢の動きが慌ただしくなっている。急がねば。



「…ここまでは良し。こっち側は帝国軍の警戒が薄くて助かったぜ」

 マッシュとシャ
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