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遅れた夏
第三章

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「夏祭りも行って花火も観て出店も楽しんで」
「満喫するのね」
「そうしてきます」
「そうなのね」
「ですから」
 それでというのだ。
「今から楽しみです」
「松葉杖は夏休みが終わるまでだけれど」
「それでもです」
「突きながら歩いてなのね」
「やっていきます、部活も見学ですが」
「参加するのね」
「夏のグラウンド好きですから」
 そちらの夏も好きだというのだ。
「ですから」
「それでなのね」
「心から」
 そのうえでというのだ。
「夏休みを過ごします」
「じゃあそうしてね」
「そうしてきます」
 友利に笑顔で告げてだった。
 灯は彼女に頭を下げてから母親と一緒に父親が運転する自動車に乗って帰った、そしてその日から夏を満喫し。
 夏休み最後の日に病院に戻って松葉杖を返した、友利はこの時灯に尋ねた。
「夏休み楽しかったかしら」
「遅かったですが」
 笑顔での返事だった。
「とても」
「それは何よりね、満足したのなら」
「はい、それでは」
「二学期も楽しく過ごしてね」
「そうします」
「私もお仕事頑張るし。ただ」
 灯は友利にこうも言った。
「二度と来ないでね」
「病院にはですね」
「怪我も病気もないに越したことはないから」
 だからだというのだ。
「来ない様にしてね」
「そうします」
 友利もそれではと応えた。
「これからは、ただ灯さんとはこれからも」
「私とは?」
「お付き合いさせもらっていいですか?」
 こう言うのだった。
「そうしても」
「お友達として」
「いいでしょうか」
「いいわよ」
 灯は笑顔で答えた。
「それではね」
「はい、それじゃあ」
「これからもお願いね」
「仲よくして下さい」
 笑顔で話してだった。
 二人で握手をした、そのうえで友利は松葉杖を返した。二学期は楽しく過ごしその中で灯とも友達として関係を続けていくのだった。


遅れた夏   完


                    2024・11・11
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