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IS《インフィニット・ストラトス》‐砂色の想い‐
動き出す世界
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「え、だって召集なんでしょ?」

「そのくらいは待ってもらう」

「そう? じゃあお言葉に甘えて」

 結局2人がブリーフィングルームについたのは30分後。ブリーフィングルームには50歳を過ぎている艦長ともう1人、金髪碧眼で鼻の高い少女。『ジョージ・ワシントンU』配属のアメリカ代表候補、ソフィア・エクレスが待っていた。

「随分な重役出勤だな、エリス・ジャクソン少尉」

「申し訳ありません艦長」

 艦長の嫌味にソフィアが頭を下げる。

「まあ彼女についてはいつも通りだ。大方訓練でもしてたんだろ。それに君が謝ることではない」

「ソフィアは優等生だからな」

「誰のせいだと思ってるんですか」

 ソフィアのきつい視線と共に放たれた言葉に、エリスは明後日の方向を向いて口笛を吹き受け流してしまう。それがまた上手いのでソフィアの気に触るのだ。

「喧嘩はよそでな。では状況を説明する!」

「「「は!」」」

 艦長の言葉に一斉に姿勢を正すのはまさしく軍人。全員が15,16歳という若年ながらIS操縦者の名は伊達ではないと再認させられる。

「『銀の福音』については知っているな?」

 艦長の言葉に3人がほぼ同時に頷く。恐らく米国のIS操縦者で知らない人はいないであろう軍用ISの暴走事件。そしてそれがIS学園の生徒によって終結されたということもである。
 貴重なコアも暴走のせいで凍結処理が決定し、実質アメリカ批判の口実を各国に与えたようなものである。

「まあそれに関して本国からも緊急要請が来ていてな。どうやらEU、赤道連合を含む諸外国からの風当たりが相当きついらしい」

「艦長、前置きはその辺りで結構です。本題へ」

「うむ、そうだな」

 3人を代表してエリスが艦長を促す。艦長も含め自分たちは軍属だ。政治には口出しできないし、そんなものは政治家に任せればいい。自分たちは自分たちの出来ることを可能な限りするのが仕事だからだ。
 それにそういう時は決まってこちらも何かしら相手と同じかそれ以上のカードを持っているのがアメリカと言う国だ。

「まだ未確定だが、近々大きなパーティがあるらしい」

「パーティ……ですか?」

「うむ、まあ私も内容は知らんのだがな」

 そう言って艦長は懐から3つの命令書を取り出す。

「エリス・ジャクソン、リーゼ・ノーム、ソフィア・エクレス。『ジョージ・ワシントンU』に配属された3名に共同の任務だそうだ」

 艦長が取り出したのは特別任務指令状。指令を出した参謀本部と受け取り手にしか知らされないそれは極秘案件として送られるため、記録の残らない手紙で作られる。そしてその場で頭に入れてその場で焼くことでその指令状の案件の極秘性を保つと
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