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IS《インフィニット・ストラトス》‐砂色の想い‐
動き出す世界
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悠長な判断だね。イギリス様とは思えないな」

「それはそれ、これはこれよ。何でも直ぐに結論を出せばいいってモノじゃないわ。重要なのはそれを見極めることよ。イタリア軍でもそうじゃないの?」

「へいへい。王女様の言うとおりですよ」

「現状とそちらの判断は理解した。では何故この映像を流してるんだ?」

「それは今から……」

 ロベルティーネの言葉に合わせてジェーンが映像を変え、その場にいた5人の代表候補生が映し出される。

「我がイギリスも含む代表候補生5人組。今の問題はこれね」

「あのー、発言をよろしいですか」

「はい、ユリアちゃん」

 恐る恐る手を上げたユリアにヴィクトリアが満面の笑みで答える。ロベルティーネはそれに関しては咎める気は一切無いようだ。
 ユリアは雲の上の人間にちゃん付けで呼ばれた上に発言する緊張でかなりの汗をかいている。

「ち、ちゃん……えと、この5人のどこが問題なのでしょう? 別に問題ないように見えますけど」

「じゃあユリアちゃんに問題です。この映像に間違いが一つあります。そこはどこでしょう?」

「え、えっとー……」

 ユリアはヴィクトリアにそう言われて画面の映像を凝視する。2分は探し回っていただろうか、結局見つからずに肩を落としてしまう。

「うう、分かりません。皆さん公表されている第2、第3世代ISで特に問題ありませんし……」

「正解」

「へ?」

「異常が無いのが間違いなのよ」

 ユリアが全く分からないという風に首を傾げる。

「む……」

「あら? ジェルミ少佐は気づいたようね」

「まあ……な」

「え? え??」

 同じ国のフィオナが分かったのにユリアは分からなくて更に首を傾げてしまう。それを見たヴィクトリアが出来の悪い生徒に教える先生のように優しく問うた。

「じゃあユリアちゃん? ここに映っているのはどこの国の代表候補かしら?」

「え? えっと、イギリス、ドイツ、フランス、オーストラリア、中国……ですよね?」

「そこまで分かってるならあとちょっと」

「………あ!」

 少し考えた後に声を上げたユリアを見てヴィクトリアは満足そうに頷いた。反面、ドイツのパルティスは何故気づかないんだという風に蔑んだ目を向けているが、そのことは気にせずにヴィクトリアは言葉を続ける。

「そ、フランスの代表候補生は男性(・・)としてIS学園に向かった。なのにここで見えるこのフランス人はどこからどう見ても女性」

「つまりフランスは世界に対して嘘をついていたということになる。フランス政府は早々にデュノア社の支援を打ち切ったとの報告も入っているが、この内容はEU全体の責任と言うことだ」

「ま、デ
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