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IS《インフィニット・ストラトス》‐砂色の想い‐
動き出す世界
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2人とも」

 ヴィクトリアの言葉に2人がようやく敬礼を下ろす。ユリアの方は大事な場面で噛んだことで完全になみだ目になってしまっていた。

「可愛いな……」

「「え?」」

 ロベルティーネが無意識に洩らした呟きに隣にいたイギリスの二人が反応する。

「シャルンホルスト特務大尉。悪い癖が出ています」

「む、失敬。失言だ、気にするな」

「そ……うですか……」

 ジェーンはそれ以上突っ込むわけにも行かず、失言の方が不味い気がするけど、というヴィクトリアの言葉はフィオナが慌しく席に着く音でかき消された。当然ユリアは席にはついておらず、後ろで待機している状態である。

「さ、無事3国揃ったことだし始めましょうか。ジェーン、お願い」

「はい」

 そう言ってジェーンが会議室の電気を落とし、投影型ディスプレイを取り出して映像を円卓の中央に映し出した。

「これは先日こちらの代表候補、セシリア・オルコットによって記録された映像です」

 そこに映し出されているのは銀色に輝くアメリカ第3世代IS『銀の福音』、それに立ち向かう第2形態移行した『白式』と単一仕様能力『絢爛舞踏』を発動した『紅椿』。

「既にご存知でしょうが、この3機の性能は異常です。また『白式』、『紅椿』の2機はあの篠ノ之束博士自身が作った第4世代ISということです」

「第4世代……」

 その言葉にユリアが声を上げるが誰もそれを咎めず、ジェーンの説明が続く。イタリアの代表候補は現在IS学園にいないのだから、このことを知る術が無い。ここで初めて知る内容であるのだろう。

「続けます。また同人物からの報告によればこの二名はどちらも単一仕様能力を開花させており、所属国家もありません。EUで迎えることが出来ればあの米国さえも抜いて世界のトップに立つことが出来るでしょう」

「それこそ難しいのではないか? こちらもボーデヴィッヒ少佐から報告は受けているが、どちらも今のところどこかの国に所属する意志はないとのことだ」

「そうなのよね」

 ロベルティーネの言葉にヴィクトリアが呆れ顔で答える。

「こちらのセシリア・オルコットからも同じような報告を受けているわ。言うならば、所属『篠ノ之 束』、って感じかしらね」

「笑えないぞ王女様」

「あら、実際そうなんだからしょうがないじゃない?」

 フィオナは面倒くさそうに自分のそばかすをポリポリと掻く。成人女性であるのに存在するそれは彼女が化粧下手ということを物語っているのだが、それがまた愛嬌を生み出している。

「現在のところ出身国の日本からの勧誘も断っている状態のようですし、この2人については現状維持でいいというのがイギリスの判断です」

「ウチ程じゃないが
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