第十一幕その九
[8]前話 [2]次話
「お魚も食べるであるが」
「色々食べてね」
「栗も茸でもである」
「山の幸が大好きだよ」
「そうであるな」
「そうした生きものだよね」
「左様、生身ならである」
王様もその通りだと言います。
「もうである」
「色々なものを食べますね」
「オズの国でもですな」
「そしてカドリングだと」
この国ではというのです。
「食べると姿が消える木の実を食べてである」
「あっ、姿が見えなくて」
「近寄られてもわからない熊がいますな」
「そして昔はその熊がいたところでは」
「私が襲われたのよ」
ドロシーが言ってきました、ドロシーは今は豚肉を食べています。
「そうだったのよ」
「左様でしたな」
「あの時はまだオズの国も危険があって」
「そうしたこともありましたな」
「それでね」
そうであってというのです。
「魔法使いさんと一緒にね」
「馬車に乗っていて」
「まさに命からがらね」
そうした風でというのです。
「逃げたわ」
「そうでしたな」
「あの時はね」
まさにというのです。
「大変だったわ」
「あの時僕はいなかったけれど」
それでもと言うトトでした。
「大変だったね」
「楽しくてね」
「それでいて大変な」
「結構以上なものだったわ」
そうした冒険だったというのです。
「本当にね」
「そうだったね」
「ええ、それであの熊達もね」
ドロシーは彼等のお話もしました。
「今は大人しいわ」
「そうなったね」
「ええ、もうね」
そうだというのです。
「そうなったからね」
「安心していいね」
「そうなったわ」
実際にというのです。
「だから安心してね」
「それじゃあね」
「ええ、ただね」
「ただ?」
「一つ思うことは」
それはといいますと。
「熊ってやっぱり色々なものを食べるわ」
「ぬいぐるみでないとね」
「そうした生きものよ」
「人間と同じかな」
「いえ、人間はもっと色々なものを食べるわ」
トトににこりと笑って答えました。
「もうね」
「そうなんだね」
「むしろね、そしてね」
「そして?」
「種族的に人間だけじゃなくて」
彼等に限らずというのです。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ