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星々の世界に生まれて〜銀河英雄伝説異伝〜
激闘編
第百七話 それぞれの想い
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各艦隊、異常なし。ガイエスブルグ要塞爆発の影響はありません」
「了解、艦長。引き続き全艦隊に命令、帰投する。航行序列は第十、第二、第三、第四艦隊。第九艦隊は最後尾において警戒を実施せよ」
「了解しました、通達します」
「他には…ああ艦長、ハーンのリンチ少将とFTLを」
「………繋がりました、どうぞ」

”ハーン遠征指揮官、アーサー・リンチであります“

「ハーン確保、おめでとうございます。それと指揮官を引き受けて下さって本当にありがとうございました。今更ですが、迷惑ではありませんでしたか」

”いえ、敗残し捕虜だった身をハイネセンに晒すのは忸怩たる思いがありましたが、これで少しは身が軽くなった気がします…小官を指揮官に推薦して下さったのは閣下とお聞きしましたが“

「私もあの時エル・ファシルにいました。エル・ファシル星系警備艦隊、第二分艦隊に所属しておりました。任務とはいえ本隊を見捨てた様なものでした…ずっと心の奥で気掛かりだったのです」

”存じております。その後将官推薦で士官学校に進まれた事も…はは、当時の事をお気になさる必要はありません。当時のヤン中尉やウィンチェスター曹長が民間人を救ってくれた事が、私も救ってくれたのですよ。あれがなければ収容所で自ら命を絶っていたと思います“

「そうですか…ヤン提督とはもう話されましたか」

”いえ、まだですが“

「是非お願いします。提督も気にしていましたから」

”了解いたしました。機会があれば、必ず“

「ありがとうございます…ではここからは仕事の話をさせて下さい。これから帰投するのですが、そちらの状況を教えて下さい」

”目立った抵抗もなく、寧ろ歓迎する空気がありました。アムリッツアで作成された統治マニュアルに沿って順調に動いています“

「了解しました。お手数ですが、私の代わりにビュコック長官にガイエスブルグ要塞の破壊成功と帰投の旨を報告していただけませんか」

”分かりました“

 意外に元気そうだったな。ジャムジードで直接話す事も出来たけど、あの時は気が引けた…俺のわがままもあるけど、これで原作で起きた同盟内のクーデターのフラグの半分を折った様なもんだ。
「よかったですね、閣下」
「え?」
「なんとなくそう思ったもので。まともに笑っている所を久しぶりに見ました」
ミリアムちゃんがそう言って微笑した…そんなに笑ってなかったかな、俺…。



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