激闘編
第百七話 それぞれの想い
[2/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
なる。そうなれば順調だった経済成長もあっという間に下落に転じる。短期的に損はするだろうが、フェザーン資本は閉め出されていた方がいい、無論、少しずつだがね。準備さえ進んでいれば何の問題もない…同盟の新しい為政者達がしくじった後に手を差し伸べればいいのだ」
「全くその通りなのですがその…計画に差障りが出てはと思いまして。例のご老人達の意向もある事ですし」
「…補佐官、私はフェザーンの方針を話しているのだがね」
「し、失礼しました」
ボルテックにはボルテックなりの物の見方しか出来ない。彼の言わんとする事は分かっているのだ。勝手にやり過ぎるなという事だろう。
「では、例の件ですが、放置に留めますか」
「放置…今話したばかりではないか、こちらに取り込む事を考えるべきではないかね?」
「仰る通りです。実は既に用意は整っております。許可さえ頂ければ何時でも実行出来ます」
「了解だ。時期など詳細は君に任せよう」
宇宙暦796年7月29日16:30
バーラト星系、ハイネセン、自由惑星同盟、ハイネセンポリス、最高評議会ビル、国防委員長執務室、
ドワイド・D・グリーンヒル
「やあ本部長、君が此処に来るのは珍しいな。宇宙艦隊の作戦は上手く行っているかね」
「現在のところは。小官の預かり知らぬ所で多少の変更があった様ですが」
「全ての事柄が全て予定通りに行くとは限らない。特に私の専門分野である政治はそうだ。君の専門分野である軍事もそうだろう?」
「仰る通りです。ですが次回からは事前に教えて頂きたいものですな」
「肝に命じるよ…ところで今日は何用かな?」
「これをご覧下さい。事実ならば、由々しき事態です。悲しい事に、事実であるからこそお持ちしたのですが」
私の差し出した資料を、私の上司は食い入る様に読みだした。
「これは…私に関するものではないな。一体どこでこれを?」
「それは言えないのです。ですが報告して来た者は事実であると申しております」
「そんな怪しい物を私の所へ持って来たという事は…」
「はい。裏を取って頂きたいのです。小官の仕事ではありませんし、またその手管もありませんので。閣下の許でならお役に立つだろうと報告者も申しておりました。小官も同意見です」
「了解した。君とその報告者には何か別の形で報いるとしよう。希望があれば聞くが」
「では…」
帝国暦487年7月29日10:00
ヴァルハラ星系、オーディン、軍務省、軍務尚書執務室、
グレゴール・フォン・ミュッケンベルガー
「高等弁務官府は何をしておったのだ!情報が遅すぎる」
「白狐より黒狐の方が一枚上手だったという事だ。情報の確認に手間取っただと?そんな言い分を鵜呑みにしおって!」
「起きてしまった事に憤っても仕方あるまい。対処の為の艦隊を
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ