九十七 復活
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「初代火影の顔…どういうことだ」
木ノ葉の里の顔岩。其処に一番に彫られている初代火影が確か木遁を使えたと聞いたことがある。
「これほどの【写輪眼】の数…うちは一族でない者が扱うには何か秘密があると思ってはいたが…」
目的の為には自分の腕にも容赦ない忍びの闇の罪を改めて思い知る。
うちは一族や千手の血統以外には過剰な負荷を強いる【写輪眼】。
それを制御する為の処置として初代火影の柱間細胞を埋め込んでいるダンゾウの右腕を、眉を顰めてサスケは睨んだ。
右腕の秘密に薄々気づき始めているサスケへ、ダンゾウは平然を装いながら宣告する。
「…おまえの写輪眼も頂くとしよう」
手の内を知る【根】同士。
互いに能力を知っているからこそ戦闘しにくい相手だとは理解していたが、こうも劣勢になるとは油目トルネは思ってもみなかった。
敵対しているサイが遠距離タイプであることは昔から知っている。
一方でトルネは触った者の細胞を破壊する毒虫使い。
触れれば即死させる自信があるが、それも対象に触れられなければ意味がない。
故に墨で形成された獣相手では流石のトルネも己の能力を発揮できなかった。
フーとの連携ならばまだなんとか対処できたかもしれないが、残念ながらフーは今現在【心転身の術】で兎の中にいる。
春野サクラに嵌められ、己の術で自滅してしまったフーが戦線離脱している今、戦えるのは自分だけ。
しかしながら現状、サイの【超獣戯画】で実体化した墨の蛇に巻き付かれ身動きできぬ状態。
戦闘をサイに任せてサスケの許へ向かったサクラの後ろ姿に歯噛みし、なんとか現状を打破しようと思考を巡らせていたトルネは、背後から聞こえてきた声に、ピタリと身体が強張った。
「あ、あなたは…」
幻と現実の狭間をコントロールできる己自身へかける究極幻術【イザナギ】。
そしてその幻術を使用した写輪眼は光を失い、二度と開くことはない。
絶大な効果を発揮する【イザナギ】だが、術を発動させた瞳は失明するリスクを負うのである。
文字通り使い捨ての瞳術だ。
そしてそれは今まで部下達を使い捨ての駒として利用してきた男にとっては皮肉にもお似合いの戦術であった。
右腕に移植された数多の【写輪眼】。全てがうちは一族から奪った瞳であることは明白だ。
自分にとって都合の悪いことは夢に、都合の良いことは現実に書き換える瞳術。
その【イザナギ】で何度も窮地を脱し、いくつもの【写輪眼】を犠牲にするダンゾウに翻弄され、サスケは歯痒い思いを抱えていた。
その焦りを
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