第1章 やって来ました剣と魔法の世界
第7話 鎮魂
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て発動する一種の代償魔法と言う物に成ると思いますね。
しかし、この魔法は、おそらく術者の方にも何らかの悪い影響を与えます。陰の気を集める事によって気の澱みを作るのは、あまり宜しくない結果を招く事と成りますから。
例えば、不幸な事が連鎖的に起きて来るとか言う具合に……。
タバサが無言で首肯く。
……って、言うか、割とあっさり受け入れてくれますね、彼女。自分の魔法と言う戦闘力に自信が有るのか、俺の事を信用しているのか。
流石に、いくら自らの使い魔と言っても、出会ってから数時間の俺の事を信用出来る訳はないですか。ならば、自分の実力に自信が有る方なのでしょう。
そう思いながら、俺は、如意宝珠を起動させた。
手の平を上にした形で差し出した俺の右手から浮かび上がり、大体三十センチメートル辺りの高さを滞空する、直径五センチメートルぐらいの光の珠。
その、白く、そして淡く光る珠の内に見える『護』の一文字。
そして……。
先ほどのレンのクモとの戦いの時もそうで有ったように、突然、俺の右手に現れる一振りの日本刀。
いや、今回は厳密に言うと突然現れた訳ではない。タバサの見ている目の前で、中に『護』の文字が浮かんだ如意宝珠が、今、俺の手にしている日本刀に姿を変えたのだ。
一瞬、タバサの瞳が少しの驚きに近い色に彩られたが、しかし、それでも俺に対して何も問い掛けて来る事は無かった。
ただ、魔術師の杖を握る手に少し余計に力が籠った点を除いては、ですが。
そんなタバサの様子などまったく気にする事なく、俺はその日本刀……如意宝珠によって再現された師匠の作った宝貝の七星刀のコピーを抜き放つ。
国家鎮護、破邪滅敵の意味を持つ宝貝の七星剣を日本刀風に打ったモノが、この七星刀で有り、その七星刀を龍神が持つ宝貝、如意宝珠で再現したモノがこの日本刀の正体。
その能力の高さもさる事ながら、如意宝珠とは俺の心の中に共に存在する宝貝の為、全ての武器や呪符が奪われたとしても戦う術を残してくれると言う、非常に便利な道具でも有ります。
但し、俺が良く知っているモノしか再現出来ない点と、元々の如意宝珠の能力を上回る能力を再現出来ないと言う欠陥が有るのですが。
ちなみに、宝珠の内に浮かぶ漢字の画数とその意味が、その宝珠の能力を示しています。
俺が今、七星刀に変えた如意宝珠が示す文字は、護の文字が浮かぶ如意宝珠。
つまり、この宝珠の能力は、何かを護る為に使う時に、その最大限の能力を示す宝貝と言う事ですね。
素早く、自らの手の平を切り、それによって得た紅い液体で自らのくちびる淡く彩る俺。
そして、タバサの右手を取り、片膝を付く。
そして……。
そして、彼女の手の甲に
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