第1章 やって来ました剣と魔法の世界
第7話 鎮魂
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が有る事は覚悟して置いた方が良いでしょう。
もし、反動が無かったら儲けモノ、と言うぐらいの感覚でいた方が良いと思います。それぐらいムチャな動きでしたからね。先ほどの戦闘時の動きは。
「それに、魂鎮とは落ち着いた雰囲気で行う必要が有るから、あまり雑多な気を放つ存在が傍に居られると少し問題が有るんや」
そもそも俺は、魂鎮に関してはそんなに得意じゃないですから。音楽的才能が欠如している、と言うほど酷い訳でもないのですが、矢張り、他人の魂を揺さぶるだけの技量は要求されるのです。
それで無ければ、荒ぶる魂を鎮める事など出来はしませんからね。
おっと、そんな事よりも、一番大切な事を忘れるトコロでしたね。
「トコロでなぁ、才人。さっきは危ないトコロを助けてくれて有難うな」
☆★☆★☆
哀調を帯びた笛の音色が一人の人間と、複数の異形だけを残した召喚の草原に響く。
たおやかで優美な笛の音が、森を抜け、草原を渡って来る風の音を友として響いていたのだ。
高く、低く……
初めから自然と一体で有ったかのような錯覚さえ齎せるほどの自然な雰囲気で。
強く、弱く……
笛の音と、ただ風のそよぐ音だけが、紅蒼ふたつの月に照らされた草原を流れて行った。
魂鎮の曲を吹き終えた俺が、手にした笛を仕舞いながら、
「あまり上手い笛やないから、わざわざ居残って聞くほどのモンでも無かったんやで」
そう蒼い少女に話し掛ける。
それに、笛に自信が有るのなら、ルイズの為に花神を召喚する時にも使用していますから。
しかし、タバサはふるふると首を横に振る。
まぁ、多少、世辞の部分も有るのでしょうけど、それでも他人に褒められるのは気分的にも良いモノですな。
それで、学院の生徒達をコルベール先生が連れて去った後、レンのクモをサラマンダーの炎で浄化した後の、魂鎮の笛で有ったのですが……。
「何故、このような事を行うの?」
この娘は何時でもこんな感じなのでしょうかね。少し抑揚に欠ける淡々とした口調で、俺に対してそう聞いて来た。
それに、西洋の方ではこんな事をするとも思えませんか。
「レンのクモやって、来たくて、こんなトコロまで来た訳やない。
ホンマなら、簡単に奪って良い生命など存在しないんや」
立場的に言うなら、ヤツも俺とそんなに変わらない。ただ、俺は召喚された途端に生徒達に襲い掛かるようなマネはしなかったけどね。
これは五戒の中の不殺生戒。無暗矢鱈と生き物を殺してはならないと言う戒め。
「それに、無念の内に死した魂は陰気に引かれ、悪い澱みを作り、更なる陰の気を作り出す元凶となる。
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