第1章 やって来ました剣と魔法の世界
第7話 鎮魂
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たとしても不思議ではないですか。
「このレンのクモを完全に浄化の炎で燃やし尽くす必要が有ります。
この魔物に関しては、私も資料でしか知りませんから、どのような病原菌を持っているかも判りません。
それに、例え危険な病原菌の保菌者で無くても、死体をこのままには出来ないでしょう。
まして、レンのクモと召喚士の少年スゥードと言う、ふたつの生命体の命が果てた場所から死の穢れを祓って、ふたつの魂を鎮める必要が有ります」
本来なら、再び顕われた際の対処の為に毒などのサンプルなどを取って置く必要も有るのですが、俺の知識ではそれを解読する知識は有りません。
多分、一般的な蜘蛛と同じように、神経毒と獲物を消化するための毒だとは思いますが……。
「だったら、俺も手伝ってやるよ」
レンのクモを退治するメインの役割を演じた、今日の昼までは普通の高校二年生だった少年がそう声を掛けて来た。
確かに、その申し出は有り難いのですが……。
「その申し出は有り難いけど、才人はもう限界やろう」
多分、俺の見立てに間違いが無ければ、才人はもう、フラフラの状態のはず。
「大丈夫さ。忍だって平気なんだから、俺だって未だやれるよ」
流石は男の子と言う、意地と格好付けの台詞では有るけど、そんなやせ我慢をしても、この場面ではあまり意味はないと思いますよ。
何故ならば、この場に才人に残って貰ったトコロで出来る事などはないですから。
そもそも、彼に魂鎮の笛など吹ける訳がないと思いますからね。
「俺と、才人とでは、能力の発動方法が違う。
俺が高速移動などを行っていられたのは、この世界にあまねく存在している精霊の力を借りて運動や攻撃の補助をして貰っているから、あんなスピードで行動出来たんや」
おそらく、精霊の力を見る能力が有る存在が戦闘時の俺の姿を見たら、活性化した精霊たちが淡い燐光を放っているのが確認出来るはずです。
「対して、才人が行っていたのは、肉体強化。人間の身体能力を極限まで高める事によって高速移動や戦闘能力の強化を行っていたと思う。
これは、おそらく反動が有る。特に、普段酷使した事のないレベルで筋肉を酷使している以上、今日はこれ以上の活動を行うべきやない」
先ほど、才人が戦っていた時には、才人の周囲の精霊は活性化していなかった。
これは、つまり才人には精霊を従える能力がないと言う事を示していると思います。
ならば、残った選択肢としては肉体強化の可能性が一番高い。
そして、才人は、彼が虚偽の申告を行っていない限り、現代社会に暮らす一般的な高校二年生だったはず。そんな普通の人間が、精霊を纏った龍種の俺と同程度の能力で動き回ったのですから、反動
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