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食堂の名物
第二章

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「本当に昔ながらのね」
「昭和よね」
「食堂って感じで」
 そうであってというのだ。
「テーブルも椅子もね」
「雰囲気があるのよ」
「そう、そして」
 それでというのだ。
「おばちゃん達もね」
「いいわね」
「あの人達も」
 店の店員さん達もというのだ。
「名物よね」
「まさにね」
「だからね」
 祈里ににこりと笑って話した。
「また行きたくなるのよ」
「一度食べて」
「それからね」
「名物はカレーだけじゃないわ」
「そう、あのお店はね」
 自由軒はというのだ。
「何もかもがよ」
「名物ね」
「もうお店の前ですら」
「暖簾にしても」
「独特の雰囲気があって」
 それでというのだ。
「名物になっているわ」
「名物はお料理だけじゃない」
「全部よ、織田作さんの写真もね」
 店の中にあるそれもというのだ。
「名物だしね」
「全部名物ね。そうなったら」
 祈里は微笑んで言った、口の中には今もカレーの味が残っている。
「いいわね」
「凄くね」
「そうよね、じゃあまた行こう」
「そうしよう、それで次は道頓堀行くけれど」
「あそこも名物多いわね」
「あの街並み自体が名物よ」
「そう言っていいわね」
 由利香の言葉に微笑んで頷いた、そしてその足で千日前から道頓堀に向かった。そうしてそこでも名物を楽しんだのだった。


食堂の名物   完


                2025・5・22
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