第一章
[2]次話
マネージャーも上手
上野寧々は通っている高校空手部のマネージャーである、眼鏡をかけていて黒髪をおかっぱにして穏やかな顔立ちである。背は一六〇位で均整の取れたスタイルだ。
マネージャーの仕事はそつなくこなす、だが。
その彼女を見てだ、いつも空手部と同じ道場で部活をしている少林寺部の北大路保美黒髪をポニーテールにしていて二重の切れ長の目とピンクの唇の面長の顔を持ち一六二程の背で胸が大きく足が長い彼女が尋ねた。
「あんたも空手するのよね」
「ええ」
寧々は保美にこくりと頷いて答えた。
「稽古もしてるでしょ」
「ええ、ただマネージャーのイメージが強くて」
それでとだ、保美は話した。
「どうしてもね」
「空手をしているイメージがないのね」
「そうなのよ」
「じゃあ一度他流の手合わせしてみる？」
寧々の方から提案してきた。
「部活の時に」
「実際に手合わせすればわかる」
「腕がね」
「そうね、ただ私は少林寺で」
「基本護身ね」
「だからあんたが攻めて」
「あんたが受ける」
保美に話した。
「それでいく？」
「そうね、まあお互いの型を見てもいいわね」
「むしろその方がいいかしら」
寧々は少し考えてから提案した。
「お互いの型を見て」
「じゃあそうしましょう」
「今日の放課後にもね」
こう話してだった。
二人は実際に放課後それぞれランニングやサーキットトレーニングの後で道場で型を見せ合った、最初は保美が見せ。
次は寧々だったが保美は彼女の型を見て言った。
「いいわね」
「わかるのね」
「ええ、いい感じよ」
「おい、上野はな」
二人の同級生の男子の空手部員が言ってきた。
「二段だぞ」
「二段なの」
「それで試合でもな」
男子の同級生はさらに話した。
「強いぞ」
「そうなのね」
「マネージャーやりながらな」
それと共にというのだ。
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