第一章
[2]次話
農業でアルバイト
中学一年生の国本美香、大きな明るい目に左右で編んだ黒髪とあどけない顔立ちを持つ小柄な彼女は夏休み前に両親に言われた。
「お前夏休み部活ないな」
「美術部はそうよね」
「だったらアルバイトしないか?」
「叔父さんのところでね」
「叔父さんって隣町の農家の」
美香は叔父の家と聞いて言った。
「あそこでなの」
「ああ、今人手を探していてな」
「夏誰かいないかって言われたのよ」
両親は美香にさらに話した。
「それでね、あんた夏暇なら」
「どうだ?」
「夏確かに暇だし。塾は夏期講習もあるけれど」
美香はそれでもと返した。
「それ終わったら夏休みの宿題してもね」
「暇だろ」
「それに隣町でも叔父さんのお家なら自転車ですぐでしょ」
「だからどうだ?」
「バイト代もおやつも出るらしいわよ」
「どっちも出るなら」
バイト代もおやつもと聞いてだった。
美香は夏休みの間叔父の家にアルバイトに行くことになった、夏期講習は午後で午前中に朝早くから行くことになった。塾は行って叔父の家でお昼を食べてからになった。
そして実際にだ、行くとだった。
「草刈り機使ってなの」
「ああ、切ってくれ」
家の息子で大学の農学部に通っている国本赤城が話した、長身でがっしりした体格で日に焼けた太い眉とあどけない眉を持つ黒髪を短くさせた青年だ。
「くれぐれも足は切らない様にな」
「回転するところからは身体を離して」
「無理はしないで」
そうしてというのだ。
「切ってね、あと色々やることがあって」
「全部やればいいの」
「やり方は俺が全部何度でも教えるから」
従妹にあたる美香に優しく言うのだった。
「宜しくね」
「わかったわ」
美香は赤城の言葉に頷いてだった。
草刈りに他の色々な夏の畑仕事をしていった、麦藁帽子にゴムの長靴を履いて日々汗をかいてだった。
おやつにお昼も頂いたが。
「果物に新鮮なお野菜に」
「美味いだろ」
「ええ、どれもね」
赤城に畑で一緒に切った西瓜を食べつつ応えた。
「美味しいわ」
「農家だからな」
「畑で採れたもの食べるの」
「形が悪くて売りに出せないものをな」
そうしたものをというのだ。
「食うんだよ」
「そうしてるのね」
「それで他の家とも分け合って」
畑で採れたものをというのだ。
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