白き極光編
第1章
アタック・ザ・オクトパス?イエス!アイム・オクトパス!
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いるのだ。
エドガーは無言でオートボウガンを構えると、その気泡目掛けて矢を射掛けた。
「いっっったーーーっっっ!!?」
バシャバシャと水面を飛沫が跳ね、紫色の触手が暴れながら浮上し、潜伏者の姿が露になる。
「何さらすねーん…!」
まず現れたのは、紫色のヌラヌラした身体に黄色い目と赤い瞳。実際タコめいている。
が、次いで視界に入ったのは肉食動物めいた黄土色の鋭い牙だった。
「あ、あれは一体…おい、お前言葉が分かるみたいだな! 何者だ!」
マッシュが指差して尋ねると、紫の物体は胸(?)を張って答える。
「どうも、わいはオルトロス。見ての通りのタコです」
「嘘こけ! タコにそんなやたら鋭い牙があるか! しかもお前良く見たら脚に吸盤ねぇじゃんか!」
「タコゆーとるやんけ!」
オルトロスと名乗ったタコ(?)は逆上し、イカダに乗り上げてマッシュと殴り合いを始める。
さしものマッシュも、8本脚の手数、全身ほぼ筋肉の肉体が生む剛力、そして身体の表面を覆う粘液の為に打撃が有効でない相手には分が悪いようだ。
「マッシュ、離れろ!」
エドガーはボウガンを向けるが、乱闘状態で頻繁に前後上下が切り替わる殴り合いの為に狙いが定まらない。
「いでででで! 絞めるな絞めるな! こんにゃろ!」
「あだだだだ! 噛むな! 噛まんといて! オルちゃん美味くないよ!」
叩いて殴って張り付いて噛み付いてと取っ組み合いをする1人と1匹に、エドガーもバナンも蚊帳の外だ。
「ファイア!」
「どあぢぃっ!?」
その状況を変えたのは、オルトロスの脚の1本への突然の着火である。
いくら疲れていたとはいえ、この喧騒でさすがのティナも目を覚ましたのだ。
目覚めた彼女の目に映ったのは、マッシュとモンスターの白兵戦であり、そして頭を過ったのはマッシュを助けねばという思考だった。
「あちちちち! 茹でダコ!? 焼きダコ!?」
たまらずオルトロスはマッシュから離れて水中へ飛び込んで消火に勤しむ。
「な、何さらすん…ねん?」
若干焦げた脚へ息を吹き掛けながら、オルトロスは怒りの籠った視線をティナへ向けるが、その姿を認めた途端に目を丸くする。
「か………かわいい…わ、わいの好みや…ポッ」
オルトロスは恥ずかしいとでも言わんばかりに、器用に触手を人間の手の如く動かし、顔を覆って時折その隙間からチラッとティナを見てはまた顔を覆う。
「…なぁ兄貴、もうアイツほっといて先に進まないか?」
やる気が削がれたのか、疲れ切った顔のマッシュがオールを手にする。
「う、うーん…でもなんか素通りしたら追い掛けて来そうな雰囲気あるしなぁ…倒すまでは
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