暁 〜小説投稿サイト〜
星々の世界に生まれて〜銀河英雄伝説異伝〜
激闘編
第百六話 焦燥
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認中ですが“

「アルメントフーベルだと!?」

”はい。そこを抜けてキフォイザーに達したならば、次はブラウンシュヴァイクです。こちらは蜂の巣をつついたような有り様でして。宇宙艦隊司令部からは情報はありませんか“

「いや、まだ何も情報はない……済まない、別の通信が入った様だ。こちらでも何か分かったら報せる。卿は情報の詳細を確認のちに帰投せよ」

”はっ“

フェルナーとの通信を切ると、キルヒアイスが少し厳しい表情を浮かべていた。
「ヒルデスハイム伯からです。自室でお受けになった方が宜しいかと」
「分かった。戦況に変化があったならば遠慮なく報せるんだぞ」
「了解致しました」

 アルメントフーベルだと…本当にそうだとすればアムリッツァの五個艦隊がその艦隊という事になるが…だが奴等はフォルゲンにも増援を出して来た。第十三艦隊と第五艦隊だ。残りの三個艦隊がアルメントフーベルに向かったという事か?しかし目的は何だ、たかが三個艦隊で何が出来る?いや、今はまずは正しい情報だ。

「お待たせして申し訳ありません。もしやアルメントフーベルに現れたという叛乱軍の事でしょうか」

”流石に耳が早いな。ではハーン宙域が叛乱軍の占拠下にある事は聞いているか“

「ハーンが…いえ、初耳です」

”こちらでも情報が錯綜している、というより意図的、断片的に情報が流れている様なのだ“

「意図的、断片的に…この情報を流す事で何か利益を得る者が存在する、という事でしょうか」

”わざわざこんな事する者が居るとすれば、ただ面白がってやっている訳ではないだろうからな。何らかの命令が卿にも下るだろう、留意しておく事だ“

「しかし、ここフォルゲンからでは…」
”何も直接卿にどうこうせよ、という命令ではないだろう。実際問題としてフォルゲンからでは遠すぎる…どんな命令が出ても狼狽えるな、という事だ“

「はっ…ご教示感謝致します」

”なあに、ご教示という程の物でもない。情報提供がてら卿の顔が見たくなっただけだ。ではな。武運を祈ってるいるぞ“

「はっ。閣下もご自愛下さい」

 画面は真っ黒になった。懐かしそうな伯の表情だった。何だろう、この胸を絞めつけられる様な焦燥感は……ここは俺の戦場ではない、何かが起こりつつある、そういう気がするのだ。確かに目の前の叛乱軍を放っておく事は出来ない。だが……。




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