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星々の世界に生まれて〜銀河英雄伝説異伝〜
激闘編
第百六話 焦燥
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が奴等の宇宙艦隊司令長官という訳だな」
「はい。およそ四万五千隻程かと」
こちらは…右翼のメックリンガーが一万一千、中央のミッターマイヤーが約一万、左翼ケスラーが一万二千、俺が三千…劣勢なのはいうまでもない。フェルナーがブラウンシュヴァイク公を動かす事が出来れば、一縷の望みはあるが…。
「前衛艦隊と叛乱軍艦隊の距離、まもなく五十光秒。至近距離に入ります。前衛艦隊の有効射程圏内まで十分を切りました」
唾を呑み込む音まで聞こえそうなオペレータの報告だった。
「中央、前進。全艦砲撃戦用意、有効射程に入り次第砲撃開始。ファイエル!(撃て)


7月27日13:50
フォルゲン星系中心部、自由惑星同盟軍、第一艦隊旗艦ヒューベリオン、
ヤン・ウェンリー

 「帝国軍艦隊、まもなくレッドゾーン、有効射程内に入ります!」
敵中央は心なしか陣形に厚みがない様に思えるが、それでも前進か…。
「ラップ、ビュコック長官からは」
「うん…各艦隊、正面の帝国艦隊が有効射程圏内に入り次第攻撃せよ、だ」
「分かった……全艦砲撃戦用意……撃て」
第三者が見たら、綺麗にも見えるであろう光の矢が行き交う光景が開始される。味方の方が数は多い、ビュコック長官はどうなさるおつもりだろう。
「直卒第五艦隊、前進する模様!」
オペレータの報告は力強かった。敵中央は薄い、敢えて誘いに乗ろうという事だろうか?
「ヤン、どう思う?」
私と同じ印象を受けたのかもしれない、ラップはスクリーンから目を離さないままだ。
「敵中央は薄い、第五艦隊の前進を誘ってるんじゃないかな。長官はその誘いに乗ったんだろう」
「やっぱりそうか」
「まだ分からないけどね…我々も前進出来る様にしておこう。敵の艦隊配置がこちらを誘う罠なら、そのうち敵中央は後退して第五艦隊を三個艦隊で半包囲しようとする筈だ。ウチの正面は…ケスラー艦隊か、その艦隊の左側面を叩こう」
「了解した。第六艦隊にも伝えるか?」
「その方がいいだろうね」


7月27日17:00
銀河帝国軍、ミューゼル艦隊旗艦ブリュンヒルト、
ラインハルト・フォン・ミューゼル

 そろそろいいだろう。ミッターマイヤーもこれ以上は我慢出来まい…。
「中央は敵第五艦隊を引き付けつつ後退、両翼は微速で前進せよ。キルヒアイス、我々も徐々に後退だ」
「了解致しました……ラインハルト様、フェルナー少佐より超光速通信(FTL)が入っております。自室でお受けになりますか?」
「いや、戦闘中だ、ここでいい。繋いでくれ」


”戦闘中に申し訳ありません“

「いや、構わん。首尾はどうだ」

”それが……まだ細部は確認出来ていないのですが、アルメントフーベルに叛乱軍艦隊が出現したという情報があるのです。現在詳細を鋭意確
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