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星々の世界に生まれて〜銀河英雄伝説異伝〜
激闘編
第百六話 焦燥
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下、敵第五艦隊の右後方から敵第十三艦隊が近付きつつあります。コースから見て我が本隊の右側面にむかうのではないかと」
第十三艦隊が我々に向かっているだと?…そうか!
「参謀長、命令を変更。バイエルラインに連絡、本隊に合流しろと伝えよ。本隊はこのまま前進、バイエルライン達の後退を援護する」
「バイエルライン分艦隊にはそのまま敵十三艦隊の足止めに向かわせた方が宜しいのではないですか」
「参謀長、それでは敵の思う壺だ。我々がそう判断すると見越して叛乱軍は第十三艦隊を動かしたのだ。バイエルライン達が第十三艦隊に向かえば、第五艦隊の先頭集団の殲滅は不可能になる。そうする為に敵は第十三艦隊を動かしたのだ。であれば殲滅は諦めて本隊に合流させた方がいい。ケンプにも伝えろ、後退の準備をせよと」
「はっ!」
第五艦隊に自由を与えてしまう事になるが仕方ない。全滅させられるより余程マシだろう。ミューゼル閣下到着までにもう少し損害を与えたかったが、これ以上の損害は無駄というものだ…。


00:50
自由惑星同盟軍、第五艦隊旗艦リオ・グランデ、
アレクサンドル・ビュコック

 撃破は無理か。それに、誘いに乗らない上に見切りが早い。敵ながら中々の用兵じゃ……ふうむ、年甲斐もなくちと焦りがあったかも知れんのう…。
「総参謀長、第一艦隊に連絡。戦闘を切り上げ一旦後退じゃと」
「その方が良さそうですね。ミッターマイヤー艦隊の撃破は難しい様です」
「貴官もそう思うか」
「はい。更に第六艦隊を敵後方に回さねば撃破は難しいでしょう。しかしその頃にはミューゼル艦隊達が現れるかも知れない。そうなると窮地に陥るのは我々の方です。後退させるだけでも上々でしょう」
「ふむ。敢えて合流させて対峙した方が好都合かもしれんな」
「はい……第一艦隊の足止めに出ていた小集団も後退を始めた様です。代わりにミッターマイヤー艦隊の本隊が前進を始めました」
「本隊が殿軍という事か。立派な男の様じゃな、ミッターマイヤーという男は」


7月26日00:45
自由惑星同盟軍、第一艦隊旗艦ヒューベリオン、
ヤン・ウェンリー

 「我々の足止めを行っていた小集団だが、後退する様だな」
「そいつはよかった。ラップ、艦隊をビュコック長官の援護に向かわせてくれ」
「了解した」
「少し頼むよ」
軽く右手を挙げて了解の意を表したラップを残して、自室で少し休憩する事にした。慌ててグリーンヒル大尉とユリアンが駆けてくる。

 自室に戻ると、大尉が紅茶を淹れるのをユリアンがじっと見ている。どうやら大尉は、紅茶に関してはまだユリアンの弟子のままの様だった。
「うん、努力による進歩の跡が顕著だね」
「ありがとうございます!」
「ハハ…ユリアン、概略図を映してくれるかい?」
頷いたユ
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