激闘編
第百六話 焦燥
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ね。失礼ながら勉強させて貰うよ……第五艦隊の右につく。そのまま前進」
リンチ少将か…息災なのだろうか。指揮を志願…同盟に帰り辛かったのだろうか…。
7月25日23:15
銀河帝国軍、ミューゼル艦隊旗艦ブリュンヒルト、
ラインハルト・フォン・ミューゼル
「増援は叛乱軍の宇宙艦隊司令長官だというのか」
「はい。第五艦隊、旗艦リオ・グランデ…叛乱軍の宇宙艦隊司令長官が直卒する艦隊です」
大きい、あまりにも大きすぎる獲物だ。補殺出来ればよいが叛乱軍も馬鹿ではあるまい、司令長官自ら出馬という事は、それを餌に我々を引き付けて叩こうとしているのだろう。
「キルヒアイス、ケスラーとメックリンガーに連絡、速度を上げてミッターマイヤー艦隊との合流を急げと伝えよ」
「了解いたしました」
23:20
銀河帝国軍、ミッターマイヤー艦隊旗艦ベイオウルフ、
ウォルフガング・ミッターマイヤー
二等兵の時に第二次ティアマト会戦に参加だと…?
「参謀長。卿は見たか、この資料。敵の司令長官の経歴だ」
「いえ…拝見させて貰っても宜しいでしょうか」
ディッケルに資料を手渡すと、みるみるうちに奴の目が丸くなっていく。
「…とんでもない経歴ですな。兵卒あがりで大将…司令長官まで登りつめるとは…我が軍では有り得ません」
確かにそうだが、気付いて欲しいのはそれじゃない。敵の司令長官は軍歴の長さからしてかなりの高齢だ。いくら叛乱軍…同盟が自由の国を標榜しているからと言って、二等兵から大将まで登るのは並大抵の苦労ではなかったろう…才能があるのだ、用兵という世の中で一番解りにくい才能が…それに、死なずにここまで来た、という事は様々な状況を知っているという事だ。戦闘において全く同じという状況は無くとも、驚く程似通った状況というのは多々存在する。ケースバイケース…単純に表すとそうなるが、違う言い方をするなら経験という言葉に言い換える事が出来るだろう。才能が経験によって磨かれた結果、用兵家として高いレベルにあるだろう事は想像に難くない。何しろミュッケンベルガー元帥やメルカッツ提督よりも軍歴が長いのだ、生ける軍事博物館とでも言うべきだろう…。
「かなりの難敵だぞ。参加している戦いを見ても、ミュッケンベルガー元帥ですら苦労させられている。敵将とは言え、敬愛すべき爺さんだろうな」
敵第五艦隊、前進してきます…オペレータが金切り声を上げる。
「斉射三連。先頭を叩け…参謀長、後続が来る迄は我慢だ。突き崩されるなよ」
「はっ…斉射三連、敵の先頭集団を叩け!各部署は戦艦を前に出せ!」
叛乱軍の戦意は高そうだ、司令長官自らが増援に現れた事が影響しているのだろう。左に並んでいる敵第一艦隊も前進を開始している…。
「ケンプ達を呼んでくれ………ケンプ
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