激闘編
第百六話 焦燥
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ォーターが喉に心地よい……叛乱軍の意図が見えない。奴等の目的は帝国領侵攻だ。ただでさえ長期戦を覚悟せねばならないだろうに、のんびり対峙に終始しているのは何故だ…ヴィーレンシュタインの貴族艦隊が躊躇させているのか?有り得る話だ、叛乱軍も流石に正規軍と貴族の私設艦隊の判別は出来ないだろう…叛乱軍が貴族艦隊を正規軍と思っているなら理解出来る。やはり我々を先に撃破した後に次善の策に移るつもりなのだろうか…。
「ミッターマイヤー艦隊より全艦隊に向けて発信…新たな叛乱軍艦隊出現、規模は一個艦隊強。警戒を……」
参謀のシュトラウス大佐が報告し終わらぬうちにミューゼル閣下からの映像通信が入る。各艦隊に向けての様だ。
「卿等、聞いての通りだ。全艦隊、微速前進。先行のミッターマイヤー艦隊と合流する。ミッターマイヤー艦隊は戦闘を回避しつつ警戒、現状維持に努めよ」
宇宙暦796年7月25日23:10
フォルゲン宙域、ヴァルトブルグ星系外縁部(アムリッツァ方向)、自由惑星同盟、自由惑星同盟軍、
第一艦隊旗艦ヒューベリオン、
ヤン・ウェンリー
「まさかそんな計画だったとは…ウィンチェスターは何も教えてくれませんでしたよ。それに長官もお人が悪い」
“また奴の例の思いつきじゃ。それに情報漏洩を避ける為でもある。”
「帝国は本当に感知していないのでしょうか。フェザーン経由で艦隊の動きが漏れてもおかしくはないと思うのですが」
“どうやらウィンチェスターの部下がフェザーンで上手くやっておる様じゃ。何だったかな、確かバグダッシュという男じゃ”
「その名前なら聞き覚えがあります。ウィンチェスターが名指しで欲しがる訳だ」
“知っておったか。情報戦の達人らしいの…しかし、全く思いつきにも程がある。それで儂も少し腹が立っての、思いつきでここまで来たという訳じゃ”
「ハハ…有難い話です。ですがハーン占領の指揮は誰が執るのです?」
“捕虜交換の帰還兵と同盟に残留した元帝国兵が主力なのじゃが…リンチ少将じゃよ。彼が指揮官として志願した。カイタルに駐留しておったローゼンリッター旅団主力も一緒に来ておる。今のところハーン宙域の安全は確保されておるし、占領は上手くいくじゃろう”
「リンチ少将…ご無事だったのですね」
“…そうか、貴官はちと複雑じゃな…まあいい、今は目の前な敵に集中じゃ。指揮は儂が執る。とりあえず儂と貴官で前に出るとしよう”
通信が切れてまもなく、ビュコック長官からの命令をラップが声を張り上げて読み上げた。
「司令長官より全艦隊、第一艦隊は直卒第五艦隊と共に前進せよ。第六、第十三艦隊は後衛として別命あるまで追従しつつ待機!……まさかビュコック長官が来られるとはな。ヤン、これでだいぶ楽になるな」
「そうだ
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