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SAO編−白百合の刃−
SAO28-純白の優しさ
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 でも、なんとなくわかった。
 ドウセツだって、私に信じるなと忠告をしても、私はその話を聞くだけで忠告は聞かないこともしっていると思うんだ。
 大事な人が失った時の辛さは、とてもじゃないが堪えきれなくて、まとも歩くことすらも辛い。最悪、本能で死にたくないのに生きているのが辛くて死にたくなるような毎日が続いてしまう。よくある表現で、心にぽっかりと穴が開いてしまった感覚になる。私はそうだった。
 わけもわからない虚無を振り払うように自暴自棄になっちゃって、穴が開いた心を満たそうと理由をつけて死んでも仕方がないという理由を探すふりをして、終いには辛いから逃げていた。
 私は…………ユリエールさんにそんな想いをさせてほしくない。私もああなるのは二度とごめんだわ。

「……だけどキリカちゃん」

 アスナが再び私を説得しようとした時だった。

「だいじょうぶだよ、ママ。お姉さんうそついていないよ」

 昨日までの言葉のたどたどしさが嘘のように、ちゃんとした日本語でユイちゃんは言葉にした。お姉さんはおそらくユリエールさんのことを言っているんだろう。

「そうだよね、スズナ」
「うん、ユイ様の言う通りです。お父様を信じてください、お姉様」

 そして今度は、つけ加えるようにスズナが純粋かつ真っ直ぐな目で口にした。
 呆気にとられていたアスナはユイちゃんの顔を覗き込むように問いかけた。

「ど、どうして、そんなこと、わかるの……?」
「うん。うまく……言えないけど、わかる」

 ユイちゃんが答えるとスズナも同意するように頷いた。

「……そうだな」

 兄はなにかに納得し、ユイちゃんの頭をくしゃくしゃと撫でて口にした。

「疑って後悔するよりかは信じて後悔しようぜ。キリカと入れば、なんとかなるさ」
「もう、キリト君もキリカちゃんと同じよねぇ……」

 兄の表情に笑みが浮かべる。そんなニヤッと笑った兄の姿を見たアスナは、迷いが晴れたかのように呆れながらも笑っていた。

「……この双子は冷酷、無情、簡単に信じたら痛い目に合うって言葉を知らないのかしら?」
「私も兄もそれくらい知っている。けど残念ながら、それを立派に答えるほどの優等生じゃないんでね」
「そうだな。俺はただのゲーム好きな甘ちゃんだ」

 甘ちゃんでけっこう。砂糖並に、はちみつ並に、シロップ並に甘くても、冷酷に無情になるよりかは、根拠のない話を信じてしまい、そして手を指し伸ばす人の方が性に合っているわ。
 ドウセツだって知っているくせに。

「あ、悪いけどドウセツは強制参加ね。じゃないと私……多分暴走しちゃうと思うから」
「損な役割ね……」

 ため息を吐きつつも、拒むことはなかった。本当にありがたい。

「その変わり、
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