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SAO編−白百合の刃−
SAO28-純白の優しさ
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ある私の責任。救出に行きたいですが……彼が幽閉されたダンジョンはとても私のレベルでは突破できなかったのです」
「他に『軍』の何名かに声をかけて、協力はしなかったのですか?」
「そうしたいのは山々なんですが、『軍』のプレイヤーの助力はあてにできません」
「そうでしょうね」
 
 ドウセツは冷静に納得していた。でも、ドウセツだったら訊くまでもなかったから、確認のためにユリエールさんに訊いたんだろう。
 『軍』のことを考えてみると、レベル的に何名か協力してもシンカーさんを助けるのは難しいだろう。少なくとも『軍』には攻略組のような人はいないから『軍』ではどうにもできない。キバオウはそれも狙って、『ポータルPK』を実行したんだろう。
 ……展開が読めて来た。ユリエールさんが私達に訪れた理由。

「そんなところに、恐ろしく強い女性プレイヤー二人組が街に現れたと言う話を聞きつけて、いてもたってもいられずにこうしてお願いに来た次第です」

 真っ直ぐ見つめてユリエールさんは深々と頭を下げ、言った。

「お会いしたばかりで厚顔きわまると思いでしょうが、どうか、私と一緒にシンカーを救出に行って下さいませんか?」
「あ、はい。わかりました」
「え…………」

 長い話を終え、私は即答で承知を受け入れる。するとユリエールさんは顔を上げ、眼を見張って驚愕していた。
 それとなんか……冷たいと言うか、凍りついたと言うか、時が止まっているような……感じがするのは、明らかに私のせい……っぽいね。ドウセツさん? なんでこちらへ睨んでいらっしゃいますでしょうか? 

「貴女がバカだから」

 心を読むようにドウセツは答えた。
 はい、おっしゃる通りにバカです。普通じゃないです。

「あの……自分からお願いして言うのもなんですが、疑わないんですか?」
「そりゃあ最低限は調べてから協力した方がいいかもしれませんね、昨日の件の仕返しする罠だってないわけじゃないし。でも、それじゃあユリエールさんが困るでしょ?」
「それは……」

 ユリエールさんは言葉に詰まってしまう。きっとそれは無理を承知でお願いする意味を理解して、なおかつ救助を求める希望でもあった。今すぐにでも力を貸してほしいと強く願い、シンカーさんを助けたいんだろう。

「いいのか、キリカ」
「何が? あ、主役は兄が良かったかな? ごめんね〜、奪っちゃって」
「茶化すな。お前はどうしてそんなに人を簡単に信じるんだよ。圏外におびきだして、危害を加えようとする陰謀である可能性だって捨てきれないんだぞ。お前が言ったことだってないわけじゃないんだから」

 兄の言うことはもっともだった。この世界、SAO内では現実世界よりも他人の言うことを簡単に信じてはいけない。とくに今の状態ではHP
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