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SAO編−白百合の刃−
SAO28-純白の優しさ
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。続いてください」
「聞こえていますよー、ドウセツさーん」
「続けて」
「あ、はい。それで私が子供を導いてあげるんだーって、燃えてました。でもここに来て、あの子達と暮らし始めたら、見ることとか、聞くこととか、何もかも大違いで……。むしろ私が頼って支えられているほうが大きいと思います」
「そうですか? わたしはサーシャさんがいるから、みんな元気だと思います」
「ありがとう、イチさん。私もそれがいいと言いますか、それが自然なことに思えるのです」
「なんとなくですけど、解ります。サーシャさん」

 アスナは頷きながら口にし、隣の椅子で食事中のユイちゃんの頭をそっと撫でた。

「サーシャさん……」
「はい?」

 兄はカップを置いて昨日の『軍』について話し始めた。

「『軍』のことなんですが、俺が知っている限り、あの連中が専横(せんおう)が過ぎることはあっても治安維持は熱心だった」

 私も『軍』のイメージはそんな感じであった。だけど昨日の『軍』は、それをまったく感じられなかった。

「昨日見た奴らは……まるで犯罪者だった」
「犯罪者と言うより変態集団よ」
「間違ってないけど、兄はあえて犯罪者って言っているんだから、口を挟む必要ないって」
「別に、あえて置き換えているわけじゃないからな」

 ドウセツの変態集団は置いといて、どっちにしろ、私と兄が抱いている『軍』のイメージとは程遠かった。
それこそ、自分の立場を利用した悪い人。

「……それでサーシャさん、いつからああなんです?」

 兄は訊ねると、サーシャさんは口許を引き締めて、はっきりとした口調で話し始めた。

「半年前……方針が変更され、徴税と称して恐喝まがいの行為を始めた人達と、それを取り締まる人達に別れていたんです。『軍』のメンバー同士で対立している場面を何度も見ました」
「なんでも、権力争いか何かあったみたいで……」

 それを付け加えるようにイチは口にした。
 『軍』は千人以上のプレイヤーが所属している巨大集団。昨日の連中は、徴税と称して恐喝を行う一部のプレイヤーだろう。規模がでかいだけに、いろいろと厄介だなぁ……。
なんせ、昨日みたいなことが日常になっている可能性だってあるんだから。

「ねぇ、アスナ」
「なに?」
「ヒースクリフさんとイリーナさんは、この状況知っているの?」

 昨日みたいなことが日常的に行われているなら放置は出来ない。

「団長は…………知ってるんじゃないかな? 『軍』の動向にも詳しいし、でも何て言うか……ハイレベルの攻略プレイヤー以外には興味なさそうなんだよね。殺人ギルドの『ラフィン・コフィン』討伐の時なんかは『任せる』の一言で関わらなかったし……だから多分『軍』をどうこうするために攻略組
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