SAO編−白百合の刃−
SAO28-純白の優しさ
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『軍』の魔の手から子供達を救出した矢先、謎の発作で悲鳴を叫んだユイちゃんをスズナが子守歌のような癒し歌でユイちゃんを眠らせた。そしてスズナ自身も役目が終わるかのように眠りについた。幸い、数分後に二人は何事もなく目を覚ました。だが、発作になったこと、子守唄を歌ったことなど、よく覚えていなかった様子だった。
なんで急にユイちゃんは発作になったんだろう。それにスズナが口にしていた『旧ユニークスキル』ってなに? 『ユニークスキル』と何が違うの?
唐突に訪れた出来事に私は理解が追いつけられなかった。それは私だけではなく、その場にいた人達もそうだろう。
そんなこともあって、アスナは長距離で移動させたり、転移ゲートを使わせたりする気にはならず、サーシャさんの熱心な誘いもあって、教会の空き部屋を一晩借りることにした。
翌朝、スズナもユイちゃんも昨日の件で悪影響になることはなかったので、一安心。安心して朝食を教会の広間で取ることにした。
「ミナ、パンひとつ取って!」
「ほら、よそ見してると、こぼすよ!」
「あーっ! 先生ー! イチ姉ちゃん! ジンが目玉焼き取ったー!」
「かわりにニンジンやったろー!」
安心したと思ったら慌ただしい光景は食卓という舞台で競い合い、食べつくす、子供達の朝食戦争。巨大な長テーブル二つに所狭しと並べた大皿に、卵やソーセージや野菜サラダを約二十人の子供たちが盛大に騒ぎながら食べていた。
「これは……すごいな……」
「そうだね……」
その様子を兄とアスナは呆然と呟く。私も同様に呆然してしまったけど……。
「いいじゃない、元気があってさ」
「なんだ、キリカは驚かないのか?」
「いや流石に驚くよ。でもさ、黙々と静かに食べているよりもこうやって慌ただしい方が元気あっていいじゃない。兄もそう思うよね」
「……確かにな」
私は少し離れた丸いテーブルに子供達の様子を見て言うと、兄も納得した。黙々と食べるのはオシャレの店で十分だよ。
「わたし、皆さんが楽しそうで何よりです」
イチは穏やかに微笑み、お茶が入ったカップを口許に運んだ。
「あの様子では、静かになることもないわね」
「そうですね。いくら静かにって言っても聞かなくて、だから毎日こうなのですよ」
サーシャさんは子供たちを愛しそうに見守る目付きでドウセツに言う。その瞳は子供好きがよく伝わってくる。
「向こうでは大学で教職課程取っていたのです。ほら、学級崩壊とか長いこと問題になっていたじゃないですか」
そうだっけか?
あ、学校と言えば……最後の体育祭、修学旅行……全部、台無しになった。
……茅場晶彦ォ……覚えていろよぉ…………。
「あ、あの……」
「サーシャさん。別に無視しても構いません
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