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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第255話:立ちはだかるは黒歴史
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時を遡り、マリアとセレナ、ガルドの3人もまた月遺跡の内部で目を覚ました。と言っても気を失っていたのはマリアとセレナだけであり、ガルドは転移した時点でも意識を保っていたらしい。彼は周囲を警戒しつつ、2人が目覚めるのを待っていた。
「ん……?」
「! マリア、起きたか?」
「え、えぇ……ここは? 私達、遺跡に着いたの?」
「あぁ、そうらしい。セレナも一緒だ」
「え? あ、セレナッ!」
「う、ん……」
ガルドに指摘されてマリアが自身の隣を見れば、そこにはセレナが静かに眠るように気を失っているのが見えた。マリアが声を掛ければ、それで目が覚めたのか瞼を震わせてゆっくりと目を開く。どうやらセレナも大事内容でマリアとガルドは安堵に胸を撫で下ろした。
が、ここでマリアは気付いた。セレナの体に彼女が着ている服とは別の上着が被せられている事に。それが何であるかは直ぐに気付いた。
「この上着、ガルドの?」
「まぁな。セレナが体を冷やすとマズいから」
「……私には何もないのに?」
「仕方ないだろ、上着は1着しかないんだから。出来るならマリアにも何か掛けてやりたかったけど、魔法が届かないのかコネクトの魔法が機能しないんだ」
そう言ってガルドは試しにコネクトの魔法を使用してみると、ベルトからは『エラー』と言う音声しか流れてこない。割と万能に思える魔法であっても、やはり有効範囲というものは存在するらしい。
そんな事情があるなら仕方がない。マリアとしても自分とセレナを天秤に掛けるのであればセレナの方を選ぶ。ましてやガルドとセレナは恋人同士なのだ。これでガルドがセレナではなくマリアの方を気遣ってくれば、それはそれでどうなのだと説教をかましていたところである。
2人がそんな事を話している間に、セレナもしっかりと覚醒したらしく掛けられたガルドの上着を胸元に引っ掛けながら起き上がった。
「ガルド君? 姉さん? ここは……私達……」
「セレナ、大丈夫? 気分はどう?」
「気分は大丈夫。ガルド君、上着ありがとう。ゴメンね、寒くなかった?」
「気にするな。それに掛けておいてなんだけど、この中は思ってたよりも快適だ」
言われてみれば確かにと、マリアは立ち上がり気絶していた間に固まった筋肉を解す様に体を伸ばした。セレナもそれに続くように立ち上がると、改めて酸素がある事を確かめる様に深呼吸をした。
「すぅ……はぁ……凄いね、ここ月の筈なのにちゃんと空気がある」
「本当にね。寧ろ美味しい位」
「排気ガスに汚染されてないからだろうな。上を見れば満天の星空だし、ランチボックスでも持ってくればいいピクニックになりそうだ」
冗談を交えるガルドの言葉に、マリアとセレナが一瞬小さく笑う。確かに今自分達は、歴史上誰も成した
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