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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
第100話:若者たちの訓練について
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て」

部屋を出ようとするフェイトの背中に向かって、俺はもう一度
声をかけることにした。

「フェイト」

「うん?」

俺の部屋のドアに手をかけたまま、フェイトは俺の方を振り返る。

「えっとな・・・、フェイトも早く自分の幸せを見つけろよ。
 言ってる意味、判るよな?」

「えっ・・・。あ、うん。わかったよ・・・。ありがとう・・・」

フェイトはそう言って部屋を後にした。
だが、俺は最後のフェイトの様子が引っかかる。
どうにも、フェイトらしくないように思えてならず、何度か首をひねるのだが、
いつまでもそんなことを考えているわけにもいかず、俺は仕事に戻るのだった。





・・・夕方。

今日のうちにやるべき仕事は概ね片付けてしまい、そろそろ帰ろうかと
思い始めたとき、来客を告げるブザーが鳴った。
ドアに向かって入るように言うと、ドアの向こうから意外な人物が現れた。

「すいません、ゲオルグさん。ちょっと、お話があるんですが・・・」

そう言って部屋に入ってきたのは、スバルだった。

「構わないけど、ちょっと待ってくれ」

スバルに向かってそう言うと、俺は端末に手を伸ばす。
立ち上がったディスプレイに、なのはの顔が映った。

『あれ?どうしたの?』

「悪いけど、ちょっと遅くなるかもしれないから、待っててくれないか?
 用事が終わったら連絡する」

『いいけど、どうしたの?』

「スバルが俺の部屋に来ててな。何か話があるらしいんだ」

『スバルが? うん、わかったよ。アイナさんには連絡した?』

「あー、まだだ。悪いけど頼んでいいか?」

『いいよ。じゃあ、またあとでね』

俺は通信を切ると、スバルの方に向き直る。

「待たせて悪いな」

「いえ。こんな時間にすいません」

「いいよ。それで、話ってなんだ?」

そう尋ねると、スバルは言いづらそうに目を泳がせる。
数分して、ようやくスバルが口を開く。

「実は、お願いがありまして」

スバルは俺の方を窺うように見る。

「何かな?」

「個人戦の訓練をゲオルグさんに見てもらいたいんですが」

俺はスバルの顔をまじまじと見た。
スバルは真剣な表情で俺を見つめていた。

「スバルはヴィータに見てもらってるんだよな。不満でも?」

俺がそう言うと、スバルは首を横に振った。

「不満なんてないです。ヴィータ副隊長には感謝してます。けど・・・」

「けど?」

「この前ティアと模擬戦をやったら前より差がついたなあと・・・」

「それで焦ってるのか?」

「焦ってるつもりはないんですけど・・・」

スバルはそう言うと、目線を落とした。

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