白き極光編
第1章
ザ・リバーサイド・レイダース
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時間はしばし巻き戻る。
ロック達が帝国軍撹乱の為にサウスフィガロへ出発したそのすぐ後、エドガー達もバナンを護衛してナルシェへ向かうべく行動を開始していた。
サーベル山脈内部に広がるリターナー本部は、出口がいくつもある。
その内の1つがレテ川へと繋がっているのである。
「この流れに沿って下って行けばナルシェ近くまで行けるはずだ」
エドガーは岩壁に空いた穴から眼下の川の流れを眺める。
流れの勢いはだいぶ強いが、リターナーが用意したイカダは念入りに補強されている為、少なくとも分解の心配は無いだろう。
レテ川はしばらくの間は地下空洞の水路として進むが、ある程度の所で見上げるほど高い岩壁の間を流れる川となる、緊急時に飛び移れるような岸はナルシェ近郊までは1、2ヶ所程度。
万一にも川下りの途中で水棲モンスターなどに襲われ、イカダを破壊されれば、生身でこの流れに曝される事になるのだ。
「まぁ、そこらのモンスターくらいはどうにかなるとして、問題は俺達が振り落とされないかだな兄貴。特にティナ」
大型のイカダを自慢の腕力で引っ張って来たマッシュが、額の汗を拭いながら兄と並んで水流を目で追う。
強力な魔導の力を持つとはいえ、ティナは年若い少女であり、体格も華奢だ。
単純な身体能力では、マッシュはおろかエドガーにも劣る。(エドガーも両手剣を振り回すくらいは出来る筋力ではあるが)
「ああ。イカダ自体は大きめだから、バナン様共々中央辺りに座っててもらうのが良いだろう」
やがて、準備を終えたティナとバナンがやって来た。
マッシュはリターナー兵達と共に、縄を括り付けたイカダを川へと下ろしていく。
着水すると、まずマッシュが降り立ち、次にエドガーが飛び乗った。
2人が実際に水に浮かべての安全性を再確認すると、縄を伝ってティナ、そしてバナンがイカダに立った。
「では後を頼むぞ。コルツ山側の入口を擬装し、帝国軍の目を欺くのだ」
「はっ! バナン様もお気を付けて!」
イカダを固定していた縄が解かれ、ついに一行は激しい川の流れへと漕ぎ出した。
とはいえ、基本的にはこの流れに身を任せるだけであり、やる事と言えば曲がる際に備え付けのオールを使って岩壁に激突しないようにするくらいだ。
そして、地下を抜けて空が見えて来ると、やるべき事がもう1つ増える。
「来た来た」
空からギャアギャアと何かの鳴き声が聞こえ、エドガーがオートボウガンを装填して安全装置を外す。
頭上の崖から青い影が5、6個飛び出し、上空からこちらへ急降下して来る。
小型の翼竜モンスター、レッサーロプロスだ!
この川は彼らの餌場であり、縄張りを荒らされたと認識して外敵の排除に現れたのだ!
「奴らは口
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