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星河の覇皇
第八十八部第四章 当直任務の様にその二十三

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「軍のものとしてはな」
「失格ですね」
「士官のそれはな」
「そうですよね、士官には士官の書き方があります」
 中尉も言った。
「一行二行は」
「士官の文章ではない」
「報告書もまた」
「そうだ、だからな」
 それでというのだ。
「ちゃんと書くぞ」
「そうしましょう」
「カエサルにはなるな」
 大尉は笑って述べた、言うまでもなくローマの英雄であり共和制から帝制になる変革を行った人物だ。
「見た来た勝ったとかな」
「あんな文章は書けないですね」
「ラテン語は簡潔だそうだがな」
 それを表す明文とされている、事実エウロパではそう評価されている。
「しかしな」
「ここは連合ですからね」
「銀河語だからな」
 使用している言語はというのだ、アルファベットとアラビア文字に漢字に平仮名等複数の文字を使う言語だ。ベースはエスペラント語も入っている。
「それでな」
「どうしてもですね」
「銀河語を使う」
「公用語の」
「銀河語で書けるか」
 そうした文章をというのだ。
「カエサルの様な」
「この場合は何もなし」
「それで済ませるとな」
「大佐がどれだけ怒るか」
「兵士ならいいんだ」
 簡潔な文章もというのだ。
「それもな」
「別にですね」
「それでもな」
 簡潔な報告書でもというのだ。
「別にな、しかしな」
「士官になると」
「やはりな」
「それなりの文章が要求されます」
「士官は論文も書く」
 これもというのだ。
「だからな」
「文章も論理的で的確ね」
「詳細までな」
「緻密に書いているものですね」
「読書感想文を書いてもよくわかりましただけではな」
 この感想は実際に書いた人物が存在している、二十世紀戦後日本の邪悪の権化巨人で活躍したプロ野球選手長嶋茂雄である。
「とてもな」
「士官としては」
「小学生の悪ふざけなら兎も角な」
「士官としてはですね」
「一冊の本で論文一つはな」
 それ位はというのだ。
「書かないとな、いや」
「書けないと、ですね」
「駄目だ、そしてもっと言えば」
 大尉はさらに話した。
「一冊の本位でなくな」
「一つの出来事か」
「若しくはその本を書いた作者や著者のな」
「その考えや特徴、生い立ちまでを」
「書けないと駄目だ」
「赤毛のアンを読む」
 中尉はここでこの名作の名前を出した、この時代でも広く読まれているモンゴメリーの代表作である。
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