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スーパーヒーロー戦記
第22話 もう一人の仮面ライダー
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いたことがないから分からないね」
「それが普通だ。奴等の犠牲者は俺だけでもう充分なんだ。これ以上首を突っ込むと言うのなら、お前もあの割れたカップの様になる。それが嫌なら今後一切俺に関わるな!」

 キツイ言葉を放ちながら本郷は見せを出て行った。そして外でバイクが遠ざかっていく音がする。恐らくバイクに乗って走り去っていったのだろう。

「にゃろう! そう簡単に諦める一文字様じゃねぇぜ!」

 ポケットの中にメモ帳とペンを仕舞い一文字もまた店を出ようとする。

「待って下さい一文字さん。本郷さんの言ってる事は本当ですよ」
「ん?」

 なのはが引き止めた為か一文字は立ち止まり、なのはの方を見た。

「君、もしかして彼と関わりがあるのかい?」
「私が小さい頃、本郷さんや立花さんにはお世話になった事があるんです」

 なのはは幼い頃に本郷や立花に助けられた事を語った。それは彼女が幼い頃に父士郎が兜十蔵博士の護衛の任務を応じた際に重症を負ってしまった事に起因する。家族全員が店の切り盛りをしている中、なのはだけは幼かった為に一人ぼっちだった。そんな彼女と親しく接してくれたのが本郷であった。また、士郎の喫茶店の師匠とも言える立花籐兵衛の助力もあり喫茶翠屋は今でも繁盛する店にまで盛り返したのだ。
 全てを聞き終えた一文字は持っていたメモ帳とペンを再び仕舞い背中を向ける。

「事情は聞かせて貰った。だけどそれで諦める訳にはいかないんでね。例え危険を冒してでも俺はアイツについて行くぜ」
「おい待てよ。何であんたそんなにムキになるんだ? 少し変じゃないか?」

 今度は滝が止めに入る。すると一文字は振り返り肩を上げた。

「俺が変かい? 俺は俺なりに一生懸命やってるつもりだぜ」
「だからって、あいつと関わるとお前も奴等に狙われる羽目になるぜ」
「知ってるよ。ショッカーとか言うカルトじみた集団だろう。俺が追ってるのは正しくそれだよ」

 的を射ていたかの様に一文字は滝に向かい指を指す。

「どう言う意味ですか?」
「良いかい金髪のお嬢ちゃん。世の中にゃ何でもかんでも拳で解決しようって考えの輩が居るだろう。俺はその逆。俺はこの手でペンを握り、真実を書き記すのさ。その為にはどうしても特ダネが必要なんだ。世間が仰天する様なネタがな」
「まさか、お前……ショッカー相手に告発しようなんて考えてるのか?」

 それこそ正しく馬鹿げた考えであった。ショッカーは既に巨大な組織なのだ。その上彼等は滅多に表沙汰に現れない。しかし確実に世界中に侵食しているのだ。もし、この事を知ってる人間が警察などに通報しても警察は笑って追い返すだろう。彼等は知らないのだ。
 ショッカーの恐ろしさを……

「それでも、世間がショッカーを警戒出来れ
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